2008年にPTAを廃止した和田中学校
2008年にPTAを廃止した、東京都の杉並区立和田中学校の校長・田中裕之先生に、PTAを廃止した経緯や変化について話をうかがいました。
「私が本校にきたのは3年前なので、PTAを廃止した明確な経緯についてはわかりません。想像になってしまいますが、外部機関との関係をもたずに、和田中学校だけでの活動にすることが目的のひとつではなかったのかと思います。PTAがあると、学校内での活動のほか、杉並区内での活動や東京都内での活動が多く、そういった煩わしいつながりがなくなり、和田中学校だけの活動で済むというメリットがあります。現に和田中学校では、PTAに変わる『保護者の会』がPTAと同様の活動をしています」(田中先生、以下同)
学校にPTAがあり、さらに社団法人日本PTA全国協議会や都道府県、市・区の連合会に加盟していると、定期的に開催される各連合会の会合や総会に出席するだけではなく、「分担金」と呼ばれる会費を納めなければなりません。これらがなくなるだけで、PTA活動による時間的・経済的負担は軽減され、保護者にも教員にもメリットになります。
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PTAは保護者の会に名前を変えた
PTA連合会のしがらみがなくなり、連合会に関する活動はなくなりましたが、それ以外のPTA活動は、「保護者の会」という名前で継続しているそうです。
「私が在籍した過去の学校で見てきたPTA活動と、本校の保護者の会の活動はなんら変わりありません。定期総会もあり、役員会や学級委員会、広報委員会なども存在します。保護者会費を集め、すべての保護者が参加しているため、役員以外の保護者が参加する活動もあるのが現状です」
PTAとの違いは、教員が参加していないということだけ。そのため、教員の負担は軽くなったそうですが、保護者の負担は減っていません。入学式当日は、保護者を招集して役員決めをしているそう。とはいえ、連合会の活動はないため、保護者からPTAがないことに対する不満は出ていないのだとか。
