●絵本の読み聞かせは才能を伸ばす
「男女共に、絵本の読み聞かせは、脳に効きます」
そう断言する黒川氏。なぜだろう?
「赤ちゃん期の絵本の読み聞かせは、言語力を上げます。この時期は、擬態語、擬音語など発音して楽しい単純な言葉が使われている絵本が理想的です。親子で発音しあって楽しんでみてください。そして赤ちゃんが「あー」とか「うー」と言い出したら、母親が「あー、よねぇ」などと答えてコミュニケーションをはかります。するとこれが母国語獲得のスタートになります。ことばの発達は、人類の脳の基本。理系の力も、芸術のセンスも、母語の能力の高さに依存すると言われています」(黒川氏 以下同)
絵本の読み聞かせは、言語脳も発達して将来の才能育成といいこと尽くしだそうだ。

●海馬を刺激する読書
3歳以降も、脳のために読書は非常に有効だという。これはなぜだろうか?
「読書は、海馬に知識の“素”を提供します。海馬は、今日あった出来事を脳の中で再生して、明日への知識を導き出す、脳の知識工場です。私たちは起きている間の体験や、学んだことは、その場では単なる記憶でしかありません。脳は寝ている間に、知識工場・海馬が記憶を繰り返し再生して、後に応用できる知識に替えているのです。この時、ちょっと想像を超える記憶の組み替えを試して、発想力に繋げていますが、この“ユニークな記憶”の素は、ごく普通の日常を過ごしているだけじゃ、なかなか数を増やせない。これを補足してくれるのが読書なのです」
しかし、なかなか本を読んでくれない子どももいるが…?
「何も面倒がる子どもに読書を強要することはありません。私たちの脳は、目の前の誰かの発音をあたかも自分の発音のように感じるという能力を持っているので、母親が読み聞かせしてあげればいいのです。3歳から7歳までは添い寝をして、絵本を読んだり、おとぎ話を語り聞かせてあげて欲しいですね」
