気になる赤ちゃんの頭の形【頭のヘルメット】ってどんなもの?

気になる赤ちゃんの頭の形【頭のヘルメット】ってどんなもの?

●治療にかかる費用は? 

今のところ、ヘルメットによる頭蓋形状誘導療法は自費診療となる。
費用は病院ごとに違うが、国立成育医療研究センターではヘルメット製作からメンテナンスまで含めて40万円と消費税がかかる。サイズ調整などはすべて病院で行うため、3~4週間ごとに通院する必要があるが、それ以外で親の負担はヘルメット内の消毒程度である。

なかなかお金はかかるが、はたしてその効果は? ヘルメットをつけた感想を赤ちゃんに聞くことはできないが、金子先生がヘルメット装着を始めた赤ちゃんを見ていると、楽に頭を動かして向きを変えられるようになっていくという。

「頭の形がゆがんでいると、赤ちゃん自身も重い頭のせいで体を思うように動かせず、けっこう苦労しているんですよ。丸いヘルメットをつけただけで頭が動かしやすくなるので、そりゃ本人も快適になっているはずですよ」

ヘルメットは、実は赤ちゃんにとってもウェルカムなものなのかもしれない。

(取材・文/相馬留美)

お話をうかがった人

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金子剛

国立成育医療研究センター 副院長

国立成育医療研究センター・副院長(医療安全・感染防御担当/感覚器・形態外科部 部長/感覚器・形態外科部 形成外科 医長) 同センター・形成外科にて「赤ちゃんの頭のかたち外来」を創設。向きぐせによる頭の変形(斜頭、短頭)に対しては、その程度や時期に応じてヘルメットによる頭蓋形状誘導療法を行う。