●眠れないときは、無理に寝ようと思わなくてOK
妊娠中は通常よりも体温が高いこともあり、とくに寝苦しく感じる夏の夜。「眠れない」には、2種類あると杉田先生は言う。
「眠りに入るまでに時間がかかるタイプと、眠っても夜中に目が覚めてしまうタイプです。前者の場合は、就寝時間の前からエアコンや扇風機などを使って室温調整をするといいでしょう。ご本人が快適だと感じる温度に設定してもらえればいいですが、おなかにはタオルケットをかけて冷やさないように気をつけてください」
さらに、杉田先生は「妊娠後期はおなかの重さも5Kgほどになり、寝付けない方も増えてきます。母体にかかる重さを軽くできるよう、横向きに寝るなどご自身で工夫してみるといいですね」とも話します。
後者の「夜中に目が覚めてしまう」ことも、妊娠中はあまり特別なことではないという。
「お腹が大きくなると膀胱が圧迫されて、尿が少したまっただけでトイレに行きたくなります。夜中にトイレに起きることもあるでしょう。一度目が覚めると、なかなか寝付けない人は、無理に眠る必要はありません。寝ないといけないとストレスをためるよりも、本を読むなどして眠気が訪れるまでリラックスして過ごすといいですよ」
睡眠不足でだるくなったり、日中に眠くなったりした場合は、昼寝がおすすめだそう。
「あまり寝すぎると昼夜逆転してしまうので、15分~20分くらいを目安に考えてください。会社勤めをされている方は、デスクでウトウトするくらいでいいと思います」
妊娠中はおなかの赤ちゃんが気になって、ちょっとしたことで不安を抱えてしまうこともある。しかし、「こうしないといけない」という考えに縛られすぎるとストレスもたまってしまうもの。お母さんが心地よく過ごせる方法を選んで、だるさを解消するのがよさそうだ。
(取材・文:畑菜穂子 編集:ノオト)
