いつまでに投函するのが正解?年賀状の基本とマナーをおさらい!

いつまでに投函するのが正解?年賀状の基本とマナーをおさらい!

相手に喜ばれる年賀状のポイントは手書きのメッセージ

パソコンや家庭用プリンタが普及した現在は、年賀状も全面プリントで“サクッ”と作れるもの。しかし、森さんは次のように話します。

「年賀状には日ごろお付き合いが疎遠になっている方と、一年に一度お互いの近況を報告しあえる、というメリットがあります。印刷だけの年賀状もよく見られますが、手書きでひと言添えるだけでも気持ちが伝わるので、ぜひそのお相手さまだけに向けたメッセージを付け加えてください。また、会社関係の儀礼的なものには不向きですが、写真付きの年賀状も状況がよく伝わり、喜ばれます」

なお、一般的な年賀状には、以下の5つを入れるといいそうです。

1)新しい年を祝う決まり文句
2)昨年お世話になったお礼(近況報告など)
3)今年も変わらぬお付き合いや指導をお願いする言葉
4)相手の幸せや健康を願う言葉
5)年号、日付、干支など

一方で年賀状にはふさわしくない言葉もあり、「新年早々縁起の悪い言葉として、『去年』という言葉が挙げられます。こちらは『去る』という漢字が、別れや死をイメージするので、『昨年』、『旧年』という漢字を用いましょう」と森さん。

他にも、死、病気、衰える、枯れる、倒れる、別れる、切れる、終わる、燃える、失う、消える、傾く、落ちる、滅びるなども避けたほうがいいそうなのでご注意を。

年賀状の代わりにLINEやSNSでメッセージを送るのはアリ?

新年の挨拶をLINEやSNSで済ませることには賛否ありますが、マナーの観点ではどうなのでしょう?

「日本の古き良き慣習として、年賀状を送りあう風習はぜひ残していってほしいもののひとつですが、時代とともに環境も変化しており、メールやSNSを活用することも致し方ありません。会社や学校でも個人情報保護法の観点から名簿の作成もなくなり、住所を確認しにくくなっているのも年賀状離れの要因のひとつではないかと思われます。しかしながら、大切なことは年賀状を出す行為よりも、相手を思い、日ごろの感謝の気持ちや相手の健康、幸せを願う気持ちを形に表すことだと考えます。相手の年齢や関係を見極め、うまく活用してみてはいかがでしょうか」

日本人にとって年賀状は、子どものころから慣れ親しんでいる風習のひとつだから、マナーを意識せず“うっかりミス”をやりがち。正しい知識を身につけて、相手に喜ばれる年賀状を書きましょう。
(文・奈古善晴/考務店)

お話をお聞きした人

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森良子

NPO法人日本サービスマナー協会認定講師

全日本空輸株式会社に客室乗務員として入社後、約10年間、国内線・国際線の乗務にあたる。組織内では、チームコーディネーターとして、新人及び班員の育成指導などに携わる。現在は、全日本空輸株式会社での経験を活かし、一般企業の新入社員教育やビジネスマナー講座、接遇講座、電話応対講座など、幅広い講座を担当している。