【専門家に聞いた!】神社の参拝マナーQ&A

【専門家に聞いた!】神社の参拝マナーQ&A

3●二礼二拍手一礼にはどんな意味があるの?

みなさんすでにご存じだとは思いますが、お参りする時の作法として、「二礼二拍手一礼」というものがあります。この行動には、いったいどんな意味があるのでしょう?

「『柏手』は、昔から偶数回やるというのが慣わしです。なぜ偶数回なのかというと、日本では伝統的に偶数を良しとしているから。柏手を打つのは、『魏志倭人伝』や『日本書紀』などの古い時代から高貴な人へは、手を打って挨拶するというのがあります。今は万歳ですが、天皇陛下への挨拶なども元々は手を打っていました。手を打つことで、尊敬の気持ちを表しているのです」

偶数というのなら、4回、6回、8回など、多ければ多いほど良い気もするけど…。

「二拍手が偶数の最小単位で、一般庶民がやるものになります。たとえば伊勢神宮で神主さんが正式参拝する時は八拍手、出雲大社などでは四拍手と、神社の位によって変わるのです。現在は、伊勢神宮がトップですので、最多の八拍手になっています。とはいえ、伊勢神宮でも普段は神主さんも二拍手ですが」

手を打つことは、尊敬の気持ちを表すための行動だったんですね。なんとなく手を叩くこともあったけど、これからはきちんと心を込めてやってみようと思いました。

このように、知っているようで知らない参拝マナーは意外と多いもの。2018年は、よりスマートな参拝を!
(文・明日陽樹/考務店)

お話を聞いた人

新谷尚紀

國學院大學教授

1948年広島県生まれ。71年早稲田大学文学部史学科卒業、81年同・大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士課程後期単位取得退学。國學院大學文学部・日本文学科教授。専門は、日本民俗学。『家族で楽しむ 子どものお祝いごとと季節の行事(日本文芸社)』、『日本のしきたりがまるごとわかる本(晋遊舎)』 、『氏神さまと鎮守さま 神社の民俗史 (講談社)』など著書多数。