余分な脂は「油」で落とす!
次の工程は、「焼き」です。豚肉に香ばしさを加え、余分な油を抜くためのとっても大事な工程。ここを丁寧にするか否かで、仕上がりがガラリと変わってきます。
④サラダ油大さじ2(分量外)をひいたフライパンに③を入れ、中火で全面がきつね色になるまで焼き付ける。

大さじ2のサラダ油となると多いように感じますが、この油は捨てるので大丈夫。それどころか、「油」が豚バラの余分な「脂」を引き出してくれるので、ここではたっぷり使いましょう!
脂を落とすためにサラダ油をたっぷり使うなんて一見矛盾しているようですが、油同士は溶け合う性質があるのです。油をひかないで焼くよりも、たっぷりの油で焼いたほうがより多くの脂が溶け出します。

豚肉をフライパンに並べたら、表面がカリッときつね色になるまでじっくり焼きましょう。
溶け出した肉汁が焼けることで起きる「メイラード反応」という反応が起き、肉の香ばしさやうまみ、風味がグンとアップするのです。

豚肉を取り出してみると、こんなに大量の脂が!
使ったサラダ油は大さじ2だけだと考えると、どれだけ大量の脂が豚肉から溶け出したのか分かりますね。
豚バラ肉はうまみがあってとてもおいしいですが、どうしても脂が気になります。高カロリーなだけでなく、味もしつこくなってしまうので、余分な脂は落としてコラーゲンやうまみだけ残しましょう!
最後のひと仕事! トロトロ食感のカギは「下ゆで」にアリ!
焼きが終わったので、いよいよ煮込みの段階――ではありません。さらにもうひと仕事、「下ゆで」も欠かせません。
④豚肉を鍋に入れ、かぶるくらいの水(分量外)を入れて火にかけ、弱火で1時間煮る。

後でまた煮込むのに、なんでこんなに時間をかけるのか……それは、豚肉をやわらかく仕上げるため。
チャーシューや豚の角煮を作ってみて、「何時間も煮たのに逆にパサパサになってしまった」なんて経験、ないでしょうか? これは、煮汁に入っている塩分の影響。塩には食材の水分を奪い身を引き締めるはたらきがあるので、調味料を入れた煮汁で長時間煮込みすぎると、かえって固くなってしまいます。
ですので、まずは調味料の入っていない状態でしっかり下ゆですることで、固くならず、トロトロのチャーシューに仕上がるのです。また、下ゆでしていると、残っていた脂とアクが大量に溶け出してきます。脂と肉のくさみを抜くためにも、下ゆでは欠かせません。
強く沸騰させると肉が固くなってしまうので、沸騰したら弱火を保ってください。また、蒸発して湯が減ってきたら水を足して常に水がかぶる状態にしましょう。1時間たったらお湯を捨て、鍋を軽く洗います。
