4歳児の身長が低いときの原因
我が子の身長が平均よりも大きく下回る場合、その原因はどういった部分にあるのでしょうか。病院へ行くと、検査によって低身長の原因が調べられます。そして、低身長の原因は、以下の可能性が考えられます。ひとつずつ見ていきましょう。
成長ホルモンの分泌量に異常があるから
4歳児の身長が低い原因として、まずは成長ホルモンの分泌異常が挙げられます。というのも、成長ホルモンは骨を作る役割をもつからです。成長ホルモンの分泌が不足すると、低身長になる恐れがあります。この症状が起こる原因としては、出産時のトラブル、下垂体の近くにできる脳腫瘍などが考えられます。成長ホルモンは、脳の下垂体から分泌されます。なので、何かの原因で成長ホルモンが分泌されないと、低身長になる可能性があります。
骨や腎臓の病気になっているから
次に、子どもが骨や腎臓の病気である可能性も考えられます。まず、骨に異常があると、成長ホルモンの分泌量が正常でも骨は伸びにくいです。その結果、身長の伸びも悪く、低身長になる可能性があります。また腎臓の病気(小児慢性腎不全)になった場合でも、同様のリスクがあります。腎臓は骨の代謝に関する物質(カルシウムなど)を作り、成長に関するホルモン(副甲状腺ホルモン)の分泌を行います。腎臓の機能に異常が見られると、成長ホルモンの分泌が順調に行われないために、低身長になる可能性があるのです。
遺伝やストレスの影響があるから
また、遺伝やストレスの影響も挙げられます。遺伝に関しては、「遺伝性成長ホルモン分泌不全性低身長症」という病気があります。これは、生まれつき成長ホルモンの遺伝子に異常が見られる病気です。とても珍しい病気ではありますが、この病気を患うと、低身長になりやすいです。そして、ストレスに関しては、親からの愛情が足りないと、そのストレスで成長ホルモンが分泌されにくくなります。この状態を「愛情遮断症候群」と呼びます。なお、子どもが愛情の不足を感じる出来事としては、虐待、離婚、夫婦喧嘩、兄弟との比較などが挙げられるでしょう。
他に考えられる原因
その他に考えられる原因としては、「染色体に異常がある」「甲状腺ホルモンや性ホルモンの分泌に異常が起きている」「脳腫瘍が起きている」「子宮内での発育が悪かった(出生後の発育に響いている)」などがあります。このように、低身長の原因はさまざまです。もし身長の伸びについて不安に思うことがあるのなら、「いつか伸びるかもしれないし…」と楽観的に考えず、一度病院へ連れて行った方が良いでしょう。原因がわかれば、対策も考えやすいです。また、現代医学をもってしても、低身長の原因が特定できないケースもあります。
4歳児の身長が低いときの対処法

ここまで、4歳児の身長が平均より低い場合に考えられる原因について紹介しました。次は、身長を効率的に伸ばすための対処法をみていきたいと思います。身長を伸ばすためには、栄養面・睡眠面・運動面の3つを充実させなくてはいけません。それでは、その3つをどのように充実させるのかを具体的に紹介します。
栄養面を充実させる
4歳児の身長が低いときの対処法として、栄養面を充実させる必要があります。「これを食べれば身長が伸びる!」といった食材がないため、栄養はバランスよく摂ることが大切です。
積極的に摂りたい栄養素
幼少期は成長に多くのエネルギーを使うので、子どもはバランスの良い栄養状態が求められます。ただ、子どもの身長を伸ばすためには、その効果が期待できる栄養素を多く摂らなくてはいけません。そして、身長アップに大切な栄養素としては、以下が挙げられます。

食事で補いきれない栄養素はおやつで
食事と食事の間、子どもにおやつを与えることもあるでしょう。その場合、子どもの好物をあげるケースが多いのではないでしょうか。しかし子どもの身長を伸ばしたい場合、おやつは「1日3回の食事で足りない栄養素を補うもの」と考えてみましょう。なお、幼少期は多くのエネルギーが必要なので、「そもそもエネルギー自体が足りていない…」というケースも考えられます。したがって、おやつを与える場合は、以下を参考にしてみてください。

食事は時間を決める
もうひとつ食事の面で気をつけたいのは、「子どもがご飯をしっかり食べてくれるか」どうかでしょう。というのも、4歳児になると、食欲や集中力にムラが出やすいからです。この問題を解決するには、1日の中で何時にご飯を食べさせるかを決めるのが良いでしょう。食事の時間を決めると、消化や吸収のリズムを身体に覚えさせる事もできます。また、食事の間隔を区切ることで、食事前にちゃんと空腹になりやすいです。その結果、子どもが毎回の食事を美味しく感じやすくなります。さらに「食事は◯分以内」と制限を設けるのも、子どものダラダラ食べ防止に役立ちます。幼稚園・保育園・小学校へ進むと、お弁当や給食の時間は決まっていますよね。その後子どものお腹が空いても、食べさせてもらえるわけではありません。なので、時間内で食事が終えられるように、家庭で食事時間を守る訓練をすると良いでしょう。
運動面を充実させる
4歳児の身長が低いときの対処法として、運動面の充実も図りましょう。なぜなら、運動をすると、成長ホルモンの分泌を促せるからです。また、適度な疲労感は子どもの寝つきをよくし、深い睡眠にもつながります。それでは、子どもに運動を行わせるとき、どのようなやり方が良いでしょうか。
遊び方を工夫する
子どもに運動をさせる場合、遊び方を工夫するのが良いでしょう。たとえば、縄跳びは1人でも大勢でも遊べる、楽しみ方の幅が広い遊びです。そのため、幼稚園や小学校で縄跳びを取り入れるところも多いです。縄跳びを1人で行う場合、「跳ぶ回数を増やす」「新しい跳び方に挑戦する」といったわかりやすい目標にチャレンジできます。そして、チャレンジによって成功体験が積み重ねられる魅力があります。他にも、遊び方によって、以下の効果が期待できるでしょう。

他にも、4歳児が楽しくできる遊びとして、ボール遊びが挙げられます。ボール遊びは、バウンドの種類、転がり方を予想しなくてはいけません。また、ボールをキャッチするためには、ボールを目で追う、手足を使う、身体を起用に動かすといった複数の動きが求められます。そのため、ボール遊びは遊びとしての難易度が高めと言えるでしょう。最初は簡単なキャッチボールからはじめるのがおすすめです。
睡眠面を充実させる
4歳児の身長が低いときの対処法として、睡眠面の充実も欠かせません。なぜなら、質の良い睡眠は、成長ホルモンの分泌を促すからです。なので、ここでは成長に結びつく睡眠のコツを紹介します。
お昼寝は無理にさせない方が良い
成長に結びつく睡眠のコツとして、お昼寝は無理にさせない方が良いです。それは、睡眠を必要としていない子どもを昼間無理に寝かせると、夜の寝付きが悪くなるからです。その結果、夜の眠りが浅くなる、夜中に何度も起きるといった弊害も起こります。したがって、4歳児の昼寝に関しては、その日の行動や子どもの体調に応じて決めるのが良いでしょう。子どもが疲れているのであれば、昼寝をさせるぐらいの考えで問題ありません。
眠るまでのルーティンを形付ける
成長に結びつく睡眠のコツとして、眠るまでのルーティンを形付けることが大事です。ルーティンとは、お風呂に入る、パジャマに着替える、歯磨きをする、トイレに行く、布団に入るといった「夜子どもが布団に入るまでの準備」を習慣化させることです。毎日同じ行動を繰り返すことで、子どもの気持ちが眠る体勢に入りやすくなるのです。また、ルーティンの形付けは、子どもの自立心が養えるとも言われています。
成長に合わせた運動をさせる
成長に結びつく睡眠のコツとして、適度な運動を子どもにさせるのが良いとされます。それは、適度な運動が成長ホルモンの分泌につながるからです。ほかには、運動は食欲が増す、睡眠の質がよくなるという効果も期待できます。具体的には、走ったり飛んだりする動きのある運動が良いとされます。先ほど挙げた縄跳びやボール遊びも、子どもの運動に向いていると言えるでしょう。
なお、注意点として、年齢や身体に見合わないハードな運動はさせない方が良いです。それは、運動量が多すぎると、その分エネルギーの消費も多くなるからです。そうなると、身体の成長に欠かせない栄養が不足しやすくなります。また、年齢や身体に見合わないハードな運動は、骨の軟骨を傷つけるかもしれません。骨の軟骨が傷つくと、身長に悪影響をおよぼす恐れがあります。したがって、子どもの身長を伸ばすためには、成長に合わせた”適度”な運動が大事です。
遅くとも21時までに寝かせる
成長に結びつく睡眠のコツとして、子どもは遅くとも21時までに寝かせた方が良いです。22時~翌2時頃の睡眠が、疲労回復やホルモン分泌に関わっているからです。また、身長の伸びに関わる成長ホルモンは、深い睡眠中に分泌されます。4~6歳の子供の理想的な睡眠時間は、10~13時間とされます。よって、子どもを毎朝7時に起こすのであれば、遅くとも夜21時には眠ってもらわなくてはいけません。幼稚園や保育園に通いはじめると、子どもには決まった時間の行動が求められます。なので、起床や睡眠の時間がころころ変わらないように、親が努力する必要があります。
就寝時間が遅い、または短いと成長ホルモンが分泌されにくいです。また、睡眠には日頃の学習内容を整理して記憶する、運動のイメージを整理して上達につなげるといった効果もあり、身長を伸ばすためには質の良い睡眠をとる必要があるでしょう。
