
筋トレで基礎代謝はどれくらい上がる?

はじめに、基礎代謝を増やすには筋トレが必要だとお伝えしました。ではなぜ筋肉を増やすことが、基礎代謝を上げることにつながるのでしょうか?
そもそも基礎代謝とは、日常生活で私たちが筋肉を使ったり、脳や消化器官を使ったりするときに必要なエネルギーのことです。その基礎代謝のうち、40%が筋肉を使うことによるエネルギー消費で、60%は脳や消化器官を使うことによるエネルギー消費ですが、意識的に頭をよく使ったり、消化器官をよく働かせたりといったことはできません。このため、自分でコントロール可能な筋肉量を増やすことで、基礎代謝量のアップが望めるのです。
では具体的に、どれくらいのエネルギーが消費されるのでしょうか。筋肉1kgあたりの、基礎代謝での消費エネルギーは約10kcalといわれています。「意外と少ない!」と思われる方もいるかもしれませんが、筋肉をつけるために筋トレをすれば、その分の消費エネルギーもありますし、呼吸器官など内臓でのエネルギー消費も上がります。結果、筋肉を1kgつけると、50~100kcalエネルギー消費を増やすことができる、ともいえるのです。
50kcalと聞くと、思ったよりも少ないと思うかもしれません。実際に計算をしてみるとどうなるでしょうか。1年間、毎日50kcalの消費ということは、年間では18,250kcalとなります。これをさらに体脂肪に換算すると約2.5kgの消費量となるのです。普通に日常生活を送っているだけでも、年間で2.5kgもの脂肪が1kgの筋肉により燃焼するということを考えると、その効果の大きさが実感できるのではないでしょうか。
基礎代謝アップに効率的な部位と筋トレ方法

筋トレといえば、腹筋・背筋・腕立て伏せなどが思い浮かぶかもしれません。しかし、基礎代謝を上げるための筋トレでは、 これらよりも意識して鍛えるべき筋肉があります。それは、「体幹」または「インナーマッスル」と呼ばれる筋肉です。この筋肉は、座っているだけ、立っているだけでも使われます。意識的に何かを持ち上げて腕の筋肉を使ったり、歩いて足の筋肉を使ったりという必要がないので、インナーマッスルを鍛えれば、常に多くのエネルギーを消費することができます。
インナーマッスルの代表的なものは、大腰筋・腸骨筋・中臀筋・脊柱起立筋といった筋肉で、要はお腹や背中周りの筋肉です。インナーマッスルを鍛えるには、体幹トレーニングをおこなう必要があります。ここからは、具体的な体幹トレーニングの方法をご紹介します。
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プランク
まず、腕立て伏せをするときの体勢になってください。そのまま足を肩幅に開き、肘を床につけます。肘と足先で体を支えている状態です。背中を床と平行になるようまっすぐ保ったまま、20秒キープします。はじめのうちは、20秒でもなかなかきついかもしれませんが、毎日繰り返して慣れてきたら、30秒、40秒と時間を伸ばしていきましょう。これを1日2~3セットおこないます。
サイドブリッジ
横向きになって寝そべります。体の下側にくる方の肘から手首・足先を支えにして、体を持ち上げます。肘は肩の真下にくるようにし、肘と足だけで体を支えるようにしてください。目線は前を向いたまま8〜15秒キープします。その後、反対側も同じようにして8〜15秒キープしましょう。左右とも1日2~3セットおこないます。
バックブリッジ
仰向けになって寝そべり、両手はまっすぐ頭の方に伸ばします。そのまま両肩と両かかとを支えにして体を上に持ち上げます。お尻や腰が下がらないように気をつけながら8〜15秒キープしてください。これも1日2~3セットを目安におこないましょう。
バックエクステンション
うつぶせで両手両足は伸ばします。息を吐きながら両腕と両足をゆっくり上げて反るような状態になり、息を吸いながらゆっくり手と足を元に戻します。このとき、思いきり反動をつけてやらないように注意してください。これを1日10~20回、1~2セットおこないましょう。
バックキック
まずは四つん這いの姿勢になります。手は肩の下、膝は骨盤の幅に開いてください。右足なら左手、左足なら右手のように、反対側の手と足をそれぞれ持ち上げ、床と平行になるよう、まっすぐ伸ばします。息を吐きながら3秒かけて伸ばし、3秒キープして、また息を吐きながら3秒かけて戻します。このとき、お腹が落ちてこないように、腹筋にも力を入れて、肩から足先まで一直線にするよう心がけましょう。1日に左右3回ずつおこなうのが目安です。