
源泉徴収票がないと困るのはどんなとき?
源泉徴収票は、特に生活に変化がないと、必要性を感じることが少ない書類です。そのため、あまり重要だと思っていない人もいるかもしれません。しかし、源泉徴収票に記載されているのは、自分の所得と所得税の納税に関する記録です。ですから、この2つに関わる書類を提出しなければならないときには、必要になることが意外と多いものなのです。
わかりやすいのは、確定申告です。個人事業主などは自分で確定申告を行い納税しますが、会社員は通常は会社が代わりに納税してくれるので、自分で申告する機会はあまりありません。しかし、ある程度以上の副業の収入があったり、多額の医療費を支払ったりした場合には、その分の納税や控除での還付を受ける必要が出てきます。納税や還付金を受け取るためには確定申告をしなければならなくなり、その際に会社からの所得や納税の内容が記載された源泉徴収票も、申告書に添付して税務署に提出するのです。
また、源泉徴収票は納税以外でも提出を求められることがあります。所得や納税している金額が重要視される住宅ローンの審査や、所得制限のある児童手当の申請などです。賃貸マンションに申し込みをするときにも、借主が家賃を滞納しないか確かめる手段として、所得がわかる源泉徴収票が必要書類となっています。結構出番が多い書類なので、源泉徴収票は受け取ったら大切に保管しておかなければなりません。
源泉徴収票を紛失!再発行はできる?
源泉徴収票は、年末調整で行われた内容を記録したものです。所得税は年間を通して、社会保険料などが引かれた給与の所得額から、大体の金額が会社から納税されています。しかし、人によっては配偶者控除や扶養者控除などが発生します。その従業員それぞれの控除額などを会社で取りまとめ、細かい計算をきちんと行って、納税や還付をするのが年末調整です。年末調整が行われるのは12月の給与が確定してからなので、源泉徴収票も渡されるのは12月の給与明細が発行される頃になるのが一般的です。12月に発行されなくても、遅くとも発行年度の次の年の1月末までには従業員に渡されることになっています。
ですが、源泉徴収票が個人の事情で必要になるときというのは、年末とは限りません。そして、もらったときには必要になると思っていなかったために、なくしてしまったということも起こり得ます。そのような場合は、会社で再発行の手続きを取りましょう。紛失したために再発行するというのは、気が引けるかもしれません。しかし、会社はもともと従業員から依頼された場合には、源泉徴収票を発行しなければならないという義務を負っています。また、源泉徴収票は、状況によっては1年間に何度もいろいろな手続きで提出しなければならないこともあります。必要となったときには、従業員には受け取れる権利があるので、遠慮せずに再発行をしてもらいましょう。