洗濯表示の意味をわかりやすく解説!マスターすれば失敗知らず

洗濯表示の意味をわかりやすく解説!マスターすれば失敗知らず

表示(マーク)を洗濯や購入前にチェック

読み方がわかったら、次は洗濯表示(マーク)を上手に使いこなしましょう!

洗濯表示を活かせる場面

洗濯表示(マーク)が活躍するのは洗濯の時だけではありません。実は、洋服を購入するときから活用できるんですよ。ここでは、洋服を買う時点で気を付けるべき洗濯表示(マーク)についてご紹介します。

服を買う時点でチェックしよう

洋服を買う時は、好きな色やデザイン・サイズなどいろいろなことを気にして買いますよね。今後はぜひ洋服選びの時に洗濯表示(マーク)もチェックしましょう。洗濯表示(マーク)を確認せずに購入した洋服が、「厚手で乾きにくいのに乾燥機禁止だった」「しわになりやすいのにアイロン禁止だった」なんてことになっては、お手入れが大変ですよね。

もっと大変なのは、手桶型マークの家庭での洗濯も×、丸型マークのクリーニングでの洗濯も×が付いていた場合。その洋服は洗う事ができず、汚れたら捨てるしかないということになりますよ!

このように、洗濯する前になって慌てないよう、洗濯表示(マーク)は洋服を買う時点できちんと確認しましょうね。

自分のライフスタイルも考慮しよう

洋服を買う時点で洗濯表示(マーク)を確認することをおすすめしましたが、「この洋服は汚れたらそのまま捨てる」ような着方をするなら、洗濯表示(マーク)を気にする必要はないですよね。

フォーマルウェアやスーツ、革コートなど最初から家庭での洗濯を考えていない場合は、クリーニングができるかどうかだけをチェックしましょう。

このように、洋服を買う時は洗濯表示(マーク)と一緒に、その洋服を自分はどう着るのか?というライフスタイルも考慮するとよいですよ。

新洗濯表示を覚えたら輸入衣料も怖くない

新しい洗濯表示(マーク)は国際規格にも合った表示なので、読めるようになれば海外からの輸入衣料にも対応できるようになります。いまの日本では、ファストファッションからハイブランドまでいろいろな国のブランドの衣料が売られていますが、「どうお手入れすればよいか?」が読めるようになれば怖いものなしですね!

洗濯表示は家事の強い味方

洗濯表示(マーク)のメインの活用場面は、やはり家で洗濯する時ですよね。大事な洋服を長く着るには日々の洗濯でのお手入れが重要なので、洗濯表示(マーク)をしっかり意識しましょう。

とはいえ、毎日の忙しい家事の中ですべてを気を付けるのは大変です。家事アドバイザーの藤原千秋さんによると、「洗濯は経験が重要」な家事だそうですよ。最初は洗濯表示(マーク)の確認も大変ですが、毎日の洗濯で経験が重なると、意識しなくても上手に洗濯できるように!ここでは、そんな洗濯表示(マーク)との上手な付き合い方をご紹介します。

衣類の洗い方を3つに分類

洗濯する時に一番最初にやることは、衣類を「仕分ける」事ですよね。まず洗濯表示(マーク)を見て「普通に洗える(=洗濯機の全自動コースで洗える)」「頑張れば洗える(=手洗いやソフトコースなどで洗える)」「無理(=家では洗えない)」に分けましょう。その時に確認するマークは、洗濯桶の形をしたマークですよ。

次に色や素材を気にして仕分けよう

家で洗濯できるかどうかで分類したら、次は「色柄モノ(色落ちしやすいモノ)」と「白いモノ」に分けておくと色移りの心配がなくなりますね。染料の質が上がったことで、最近では衣類の色落ちもしにくくなったそうですが、濃色の衣料を洗濯するときは分けた方が無難ですよ。

衣類の色落ちのしやすさは、タグに「濃色のものは淡色のものと一緒に洗わない」書いてあるものや、タグ自体に少し色移りしているのが判断の目安になるそうです。

また、黒い服は毛羽立ちが目立つので、黒い衣類だけで洗ったり蛍光増白剤の含まれていない洗剤で洗うようにしましょう。

ゆるい条件で洗濯すれば洗えるものを増やせる

洗濯表示(マーク)は、衣類を製造販売しているメーカーが素材の品質をなるべく保つためのお手入れ方法を表示しています。そのため、私たちが「多少型崩れしても良いか」と割り切れる衣類であれば、厳密に洗濯表示(マーク)を守らずゆるい条件で洗濯できるものが増えます。

例えば、以下のような場合です。

●子ども用に安く買ったダウンジャケット。洗濯表示(マーク)は家では洗えずクリーニングに出すとなっているけど、よく汚してくるうえ来年はサイズが合わずに着られないし、多少型崩れしても構わないから家で洗おう!
●もう何年も着ていて色落ちの心配もないから、濃色だけど白いモノと一緒に洗おう。

ただし、以下の点によく注意してくださいね。

●「厳密に品質を保つ必要がない」と思える衣類であること
●大切な衣類や初めて洗う衣類ではやらない
●あくまで自己責任の洗濯となるので、失敗してもあきらめられるものだけにする

「洗濯は経験が重要な家事」という藤原さんの言葉どおり、最初は洗濯表示(マーク)の通りに洗濯をしてみて、徐々に自分の経験をふまえて洗濯条件をアレンジしていくと失敗が少ないそうですよ。

洗剤の洗浄力向上で増えた「家で洗えるもの」

ドラッグストアなどでたくさんの種類が売られている「おしゃれ着洗い」の洗剤は、中性洗剤と呼ばれるものです。ここでは、その中性洗剤を使った洗濯についてご紹介しますね。

「ドライマーク衣料が洗える洗剤」について

まず、普段洗濯機での洗濯に使う洗剤と「おしゃれ着洗い」の洗剤の違いを理解しましょう。

普段洗濯機で使う洗剤は、汚れ落ちを重視しているため多くがアルカリ性。このアルカリ性の洗剤では、タンパク質でできているウールやシルクといった素材は傷めてしまうために使えませんでした。

一方で、「おしゃれ着洗い」の洗剤は中性洗剤なのでウールやシルクに使えるのですが、昔は汚れ落ちが良くなかったので、今のように普及はせず、ウールやシルクはクリーニングに出すのが一般的でした。

そこに、中性洗剤でありながら洗浄力も向上した洗剤が登場。旧洗濯表示の「ドライマークの衣料が洗える」洗剤として大ヒットしました。商品名では「エマール」や「アクロン」などが有名ですよね。

おしゃれ着洗いの洗剤で洗える表示は?

上での解説のように、「ドライマークの衣料が洗える」洗剤によって、クリーニングに出さなくてはいけなかった衣料が洗えるのではなく、クリーニングでないと生地を傷めず汚れを落とすことができなかった衣料が洗えるようになったと考えましょう。

おしゃれ着洗いの中性洗剤でも、手桶型マークに×の付いている「家庭での洗濯禁止」の衣料は洗えないので注意してくださいね。

洗濯機の「ドライ」「手洗い」コース

洗濯機の選択コースにある「ドライコース」はドライクリーニングができるという意味ではありません。「ドライクリーニング」とは水を使わずに特殊な溶剤を使って洗濯する事なので、家庭の洗濯機で水を使う「ドライコース」とは違いますね。

では、洗濯機の「ドライコース」や「手洗いコース」(他には、「おしゃれ着コース」「ソフトコース」など)はどういう意味なのでしょうか?それは、「弱水流」「水量多め」で優しく洗うコースという意味なんですよ。

洗濯機に選択コースが多くなかった時代は、洗濯するときに自分で「水流の強さ」と「水量」を設定していました。おしゃれ着洗いをする時は、手動で「水流は弱め」「水量は多め」と設定した後に「洗濯スタート」ボタンを押していたんですね。

「ドライコース」や「手洗いコース」は、それを1回のボタン操作で設定できるように、機械側であらかじめ水流と水量を決めてあるコースの事なのです。なので、中性洗剤を使ったおしゃれ着洗いの時は、普段の全自動コースではなく「ドライコース」や「手洗いコース」で洗濯すると、より生地を傷めずに洗濯ができますよ。

「ドライ」「手洗い」コースで洗いたい物

「ドライコース」や「手洗いコース」での洗濯をおすすめしたいアイテムは、下着、特にブラジャーです。家事アドバイザー藤原さんによると、ブラジャーは型崩れ防止のために手洗い、手絞りをする人が多いのですが、脱水が甘くなるためにパッドなどにカビが発生し、臭いの原因になってしまうことが多いんだそうです。

直接肌に付ける下着に、カビや雑菌による臭いが発生してしまっては困りますよね。そこで、ブラジャーなど繊細な下着は「洗濯ネット+中性洗剤+ドライコース」で賢く洗濯機を利用して洗濯するのがおすすめ!手洗いよりもラクでカビの発生も予防できるので、試してみて下さいね。

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洗濯表示マークが読めれば洗濯がシンプルに

新しい洗濯表示(マーク)は日本語がまったく書いてないので、最初は分かりにくいですよね。三角や四角のマークなど、すぐに意味の分からないものがあると不安になるのも分かります。でも、ご紹介したように洗濯表示(マーク)はそんなに難しいものではありません。読めるようになれば、効率よく正しい洗濯で衣類のお手入れができるようになるので、この記事を参考にしてぜひ覚えてみてくださいね。

(文・藤巻かな江)

この方に教えていただきました

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藤原千秋

大手住宅メーカー営業職を経て、主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆し20年目。現在はライティングの傍ら、住宅関連の企画・広告・商品開発・アドバイザリー等、多様な業務に携わっている。TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』月1レギュラー出演、東京新聞『住箱のスミ』連載中。そのほか『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)等著監修書多数。プライベートでは高校生、中学生、小学生三児の母。