夫と金銭感覚に違いはある?

夫婦として一緒に生活をしていくうえで、夫との金銭感覚のズレは大きな問題です。独身のときは気に留めなかった相手のお金の使い方が、気になって仕方がなくなるということもあるでしょう。
しかし、そもそも夫と妻で金銭感覚に違いがある、という家庭はそんなに珍しいものなのでしょうか?
完全に一致するのは難しい
今の金銭感覚の元になっているのは、人生の中で少しずつ積み重ねてきた経験です。異なる人生を歩んできた2人の金銭感覚が、完全一致することの方が珍しいといえるでしょう。
子どものころにどのような生活をし、両親がどのようなお金の使い方をしてきたかによって金銭感覚は決まってきます。また、成人になってからも親元で暮らしてきたか、1人暮らしをしてきたかによっても金銭感覚は違うのです。自分の収入の範囲で生活をする経験は、金銭感覚を大きく変化させます。
さらに、たとえ夫婦で金銭感覚が同じだと感じていたとしても、趣味や教育にお金をかけたがったり、将来の貯蓄を心配したりと、性格や嗜好によってお金の使い方は異なるものです。夫婦の金銭感覚をぴったり揃えようとすることの方が困難だといえます。
不満が大きいと喧嘩の要因にも
金銭感覚を完全一致させるのは難しいとしても、夫婦である程度似ていなければ、お互いに不満を抱きがちです。金銭感覚における不満が大きければ喧嘩が頻発するようになります。
極端な例でいえば、パートナーにギャンブル癖や浪費癖など、金銭感覚の大きなズレがあると、夫婦関係はうまくいかなくなります。「なぜ生活費に手を付けられるんだろう」「どうして無駄なことにお金をかけるんだろう」と、相手の金銭感覚が受け入れられないのです。
逆に、家庭における収入や支出の状況を定期的に共有したり、お互いがお金をかけたいと思っているポイント・かけたくないと思っているポイントについて話し合ったりしている夫婦は、金銭感覚を近づけられるため円満な家庭を築けるでしょう。
金銭感覚が違うと感じるポイント

金銭感覚の違いは、実際に日々生活するなかであらわになってくるものです。具体的にどのようなシーンで金銭感覚の違いを実感することになるのか、管理方法・使い方・貯め方の3つのポイントをそれぞれで説明します。
管理方法
お金の管理の仕方は家庭によって異なりますが、正解がないからこそ夫婦喧嘩が勃発しがちです。
多くの家庭で行われている家計管理の方法は、夫婦の夫婦の片方が家計を管理し、一人ひとりのお小遣いを分配するタイプです。しかしこの方法は、管理する方のさじ加減でお金の自由が決められるため、あまりに締め付けが厳しいと不満が生まれます。
ほかにも、2人で別々の財布を管理したり、逆に2人で1つの財布を共同管理したりという方法もあります。前者はお互いの収入・支出が不透明になり、後者は自由に使えるお金がないことで束縛を感じることがあるのです。
夫婦がお互いに異なった家計の管理方法を希望している場合、金銭感覚の違いを実感しやすくなるかもしれません。
使い方
お金の使い方についての考え方は人によって様々です。性別や性格、今まで生きてきた経験や価値観によって、お金をかけたいと思うポイントは異なります。
例えば、1杯のお茶を飲むだけでも「せっかくならカフェで贅沢に1杯楽しみたい」と思う人と「たった1杯のお茶のために無駄遣いしたくない。自販機でいい」と思う人がいるのです。
これが夫婦ともなると、相手のお金の使い方が気になって仕方がありません。食事や趣味、旅行など、お金を使うシーンが訪れるたびに、相手が理解できない出費をすることにイライラすることもあるでしょう。
自分にとってさほど重要でないことに対し、パートナーが熱心にお金をかけようとすることが理解できないのです。夫婦だからといって、お金の使い方の足並みを完全に揃えることはできません。
貯め方
貯金に対する考え方も、夫婦間で衝突が起こりやすい事柄です。将来に向けてどのくらいのお金を貯めるべきだと考えているか、夫婦で大きな隔たりがあると喧嘩になってしまいます。
将来に向けた貯蓄のために節約する人と、今この瞬間やりたいことにお金をかけたいと思っている人が一緒になると、お互いに不満を溜めがちです。
また、お金を貯めて増やす方法でも意見が分かれる場合があります。稼いだ分からコツコツ堅実に預貯金を作ることに安心する人と、資産運用で効率的にお金を増やす方がよいと考える人がおり、お互いの意見が相いれないこともあるのです。