仲間外れはなぜ起こる?

まだ幼い子どもが、なぜ友だちを仲間外れにするようなひどいことをするのか、理解できないという人もいるでしょう。
実は仲間外れは、子どもが成長しているからこそ行う行動であり、自我が間違った形で発揮されていることを表しているのです。子どもが仲間外れをする理由について、考えられるものをいくつか紹介します。
主導権を持つのが楽しい
人間には「自分が主導権を持ちたい、自分の力で周りを変えたい」という欲求が多かれ少なかれあります。仲間外れをしてしまう子どもは、自分の発言が友だちに受け入れられて、周囲の人間関係に影響を与える様子を見て満足しているのです。
子どもの主導権を欲しがる気持ちが正しく成長すれば、リーダーシップという長所に変わることもありますが、すべての子どもがそうなるわけではありません。仲間外れをすることで、手っ取り早く主導権を握る楽しみを得ている子どももいるのです。
自分と違うものは遠ざけたい
子どもは、大人が思っている以上に多様性を受け入れられません。自分や友だちと比較して見た目や行動、言葉づかいが違っている」というごく些細な理由で、遠ざけようとするのです。
大人は、見た目で判断することは差別であると知っています。どうしても合わない人とは距離を取ろうとするでしょう。しかし子どもは、自分と違うものを拒否することで自分の気持ちを表現します。
「見た目がかっこ悪い」という外見に対する攻撃のほか「メガネをかけている」「方言で話す」など、大人も予想できないことが仲間外れの原因になることもあるのです。
親の教育が影響している場合も
子どもに対する親の影響力というのは大きく、仲間外れをしている子どもの家庭では教育環境がベストとは言えない状態の場合も珍しくありません。
家庭では両親に放置されていたり、両親が不仲でいがみ合っている様子を常に見ていたりする子どもは、友だちを仲間外れする可能性があります。「自分の存在を周囲に知らしめたい、そのためなら人を傷つけてもかまわない」という間違った考えをもってしまうことがあるためです。
逆に、過度に甘やかされていたり、教育熱心で習い事やスクールにあれこれ通わせられていたりする子どもも、問題を抱えることがあります。「自分の意思で何かをしてみたい」という気持ちが、仲間外れという行為として表面に出てきてしまうのです。
我が子が仲間外れにされたときの対処法

我が子が仲間外れにされていると知れば、ママ・パパとしては何とかしてあげたい気持ちでいっぱいになります。しかしながら、子ども同士の世界にどれくらい大人が踏み込んでよいものなのでしょうか?
子どもが仲間外れにされたとき、親としてできる対処法を解説します。
4歳の娘が、お友達にのけものにされぎみで悩んでます -春から幼稚園に- 幼稚園・保育所・保育園 | 教えて!goo
娘が仲間外れにされたときだけ出て行く親を見て・・・ -近所のお母さん- 子育て | 教えて!goo
4歳の娘、幼稚園で嫌われているみたいです -年少の娘ですが、毎日のよ- 子育て | 教えて!goo
子どもの話をきちんと聞く
まずは、子どもにきちんと向き合い、真剣に話を聞くことが大切です。何か作業をしながら片手間に聞くのではなく、子どもの目を見て真正面から聞くとよいでしょう。
「いつから仲間外れが始まったのか」「仲間外れをしている子は誰なのか」「ほかの友だちとの関係はどうか」など、今の状況を細かく聞きます。
話を聞いているうちに、「きっかけは何だったのか」「子どもはこれからどうしたいのか」など、解決のためのヒントも見えてくるでしょう。
気持ちに寄り添う
子どもが仲間外れにされてつらい気持ちを吐き出したら、ママ・パパは子どもの気持ちに寄り添います。「どんなときでも、ママ・パパは味方だからね」という言葉は、子どもにとって大きな支えとなるでしょう。
ここで、もし我が子の方に仲間外れの原因があったとしても、怒ったり呆れたりしないようにします。なぜ原因を作ってしまったのかを尋ね、「それは悔しかったね、つらかったね」とまずは理解してあげるのです。
「両親は自分にとって一番の理解者だ」と感じれば、子どもはその後両親の意見やアドバイスに冷静に耳を傾けます。
焦って行動するのはNG
我が子が仲間外れにされるという一大事に動揺しても、焦って行動に移すことはNGです。大人が介入することで、トラブルを大きくしてしまう可能性があります。
相手の子どもの親も出てきて大げんかになったり、子どもが「親にチクった」といわれてますます孤立してしまったりすることも考えられます。
子どもには、「これからどうしたい?」と尋ねましょう。「仲間外れをやめてほしい」「また遊びたい」と希望が出れば、大人の目線からアドバイスをします。子どもの力で解決できそうならしばらく見守り、仲間外れが長期化しそうであれば親として動くことを考えましょう。
