いつから準備を始める?

進路を決めるギリギリの時期に思い立っても、希望する学校に合格するのは難しいといわざるを得ません。では、中学受験をするとすれば、いつごろから準備を始めればよいのでしょうか?小学校の学年別に、中学受験の準備について解説していきます。
低学年は経験が学びになる時期
低学年のうちは、「なるべく多くの経験を積ませ、分野問わず様々な知識に触れさせること」が大切です。テレビからは知らない場所で何が起きているのかがわかり、本を読むほど読解力が身につくでしょう。外に連れ出し、四季折々の変化を体験させることも学びの土台となります。
子どもが疑問を持ったとき、すぐに答えを与えず見守る姿勢も重要です。「自分で考えて答えにたどり着く気持ちよさ」こそ、子どもの好奇心を育てる源となるでしょう。
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多くは新小4からスタート
中学受験をめざす場合、小学4年生から受験対策を始めるのが一般的です。そのため、大手の中学受験塾の新年度は新小4(小学校3年生)の2月に設定されています。この勉強スタートの時期には、塾のカリキュラムの組み方が関係しています。
たいていの塾では、4~6年生の3学年の間に受験に必要とされる知識の習得をめざします。5年生から始めても遅くはありませんが、1年分を急いで吸収しなければいけません。
ゆとりを持って学習計画を立てるのであれば、塾のカリキュラム通りに4年生から勉強を始めるのが理想でしょう。
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小6からは努力と覚悟が必要に
6年生になってから「私立中学に行きたい」と意欲を見せ始める子もいます。しかし、6年生から始める受験対策には、かなりの努力が必要になるでしょう。
4月から受験までの約10カ月の間に、小学校では学習できない試験に必要な学力を養うことが求められます。通常の塾だけではなく、個別指導や家庭での自己学習も必要です。
それでも、子ども自身に明確な目標と「どうしても行きたい」という強い意志があるのなら、厳しい受験を乗り越える力となるでしょう。
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中学受験をする前に考えておきたいこと

「私立中学に入学した後のこと」は具体的にイメージできているでしょうか?私立中学では、公立中学と比較してデメリットを感じることもあります。最後に、受験前に考えておきたいポイントについて3点確認しましょう。
公立よりお金がかかる
中学受験をするとなれば「経済的負担」は大きくなります。塾では通常の月額料金のほかにも、集中講座・長期休暇の講習・検定対策など、オプションで費用がかかることもあるでしょう。
私立中学への入学が決まれば、公立よりも高額な入学金や諸経費を納める必要も出てきます。電車やバスを利用する場合、毎月の定期代も考えておかなければなりません。
文部科学省が発表した2018年度の「子どもの学習費調査の結果」によると、1年間で子ども1人あたりにかかる学習費用の総額は公立中学が「48万8397円」、私立中学が「140万6433円」と約2.8倍の差です。
3年間の学習費は、1人あたり420万前後はかかると考えておきましょう。統計によると、私立中学は近年学習費が増加傾向にあります。私立高校は20年4月から授業料実質無料の取り組みが始まりましたが、私立中学に関しては現状は親の負担です。
通学に時間がかかる
公立中学校の場合、基本的に居住地の学区内にある中学校に通うため交通費はかかりません。しかし、私立中学の場合、「自宅から離れた場所にある」のが一般的です。
部活動をする場合、夏場は18時まで活動することもあります。もし通学に1時間かかるのなら、帰宅時間は19時を過ぎてしまうこともあるでしょう。
経験のない子どもには通学のイメージはしにくいため、親がその負担を見極めておく必要があります。距離だけではなく、「実際に通学する時間帯の混雑具合」も考慮に入れておきたいところです。
新たな友だちづくりが必要
思春期の多感な時期に充実した学校生活を送れるかどうかは「仲のよい友だちと過ごせること」が重要な要素です。公立中学なら知った顔がたくさんいますが、私立中学の場合は新たに人間関係を築いていく必要があります。
人見知りしがちな子や神経質な子であれば、入学してしばらくは気を張る時期が続くかもしれません。ただ、いったん友だちがつくれれば、中高一貫校などの場合は先の長い付き合いができます。
進学のタイミングではほとんどの人が通る道のため、親は聞き手になって子どもを励ましてあげましょう。
