モンテッソーリ教育とはどのようなもの?特徴や内容を徹底解説

モンテッソーリ教育とはどのようなもの?特徴や内容を徹底解説

モンテッソーリ教育は、子どもの自主性を尊重することを重視する歴史ある教育です。独自の教具を用いて個人行動を基本とする教育方針をとっています。モンテッソーリ教育の特徴と5分野に分かれる教育内容、メリット・デメリットを解説しました。

モンテッソーリ教育とは

「子どもによりよい教育を受けさせたい」という思いから、「モンテッソーリ教育」に興味を持ったママ・パパは多いのではないでしょうか?

大企業の経営者や著名な社会学者、若手の天才将棋棋士も受けていたということから、期待を寄せている人も多いでしょう。そもそも、モンテッソーリ教育とはどんなものなのでしょうか?歴史と教育の目的を解説します。

歴史と目的

モンテッソーリ教育は、イタリアで初めて女性として医学博士号を取得した「マリア・モンテッソーリ」によってつくられた教育方法です。

モンテッソーリ教育は、元々障がいを持つ子どもに向けて考案されたものでしたが、対象を広げて一般的な子どもに対しても応用されるようになりました。

モンテッソーリ教育の目的は、「自主性と自立心を持ち、生涯学び続けられる知的好奇心を持った人材を育てること」です。

日本では子どもが小さなときに行う英才教育として理解されていることが多いですが、本来は子どもの人格形成のための教育といえるでしょう。

教育内容の大きな特徴

モンテッソーリ教育を我が子に受けさせるかどうかを決める際には、まず教育の特徴について知っておく必要があります。モンテッソーリ教育は、どのような教育スタイルなのかを把握しておきましょう。

基本は個人行動

モンテッソーリ教育の大きな特徴は、基本的に「個人行動」を促すことです。モンテッソーリ教育では、幼児が物事に対して敏感になり、ひとつのことに特別に興味を示す時期を「敏感期」と位置づけています。子どもの敏感期には、「自分で興味のあるものを選ばせ、自分のペースで習得させる」方針です。

とはいえ、子どもが友だちと一緒に行動することを禁止しているわけではなく、「友だちと一緒に遊びたい」という本人の自主性に基づいた行動であればかまいません。子どもたちが、ひとりぼっちで過ごすようなことにはならないでしょう。

教具を用いて学ぶ

モンテッソーリ教育では、「教具」という独自の知育教材が用いられます。教具は、おもちゃであると同時に教材です。

たとえば、円柱差しの教具はブロックの大きさに違いがあり、同じ大きさの穴に差し込まなければクリアできないように設計されています。子どもが自分で「大小の違い」や「指先の感覚の違い」に気づけるようにするのが目的です。

モンテッソーリ教育の教具は、対象年齢0歳から「子どもの成長」や「発育時期」に合った学習に連動するように設計されており、子どもが自主的に手に取って遊びを通して学べるようになっています。

整えられた環境をつくる

モンテッソーリ教育において必要なのは、子どもが自らやる気を起こすための4要素を満たした「整えられた環境」です。

まず、「子どもが自由に教具を選べること」「子どもがやってみたいと思う面白い教具があること」が求められます。「子どもの成長に応じた環境を整備し、子どもの発達をサポートする教師を配置すること」も重要です。

また、子ども同士の関わりにおいては「年齢が異なる子どもを集めたクラス編成(異年齢混合クラス)」を採用することで、社会性や協調性を育みます。

日本ではモンテッソーリ教育施設のうち、これらの要素を満たした「整えられた環境」がある幼児教育施設を「子どもの家」と呼ぶこともあるようです。