モンテッソーリ教育とはどのようなもの?特徴や内容を徹底解説

モンテッソーリ教育とはどのようなもの?特徴や内容を徹底解説

モンテッソーリ教育の5分野

モンテッソーリ教育における「子どもの活動」の呼び方は、遊びや学びではなく「お仕事」です。大人にとって仕事は生きるために必要な行動であることから、子どもにとっては「成長に必要不可欠な日々の活動」がお仕事なのだと位置づけています。

モンテッソーリ教育で行われている、5分野のお仕事について見てみましょう。

日常生活の練習

日常生活を送る上で必要な行動を練習することも、モンテッソーリ教育ではお仕事のひとつです。日常生活の練習では、「子どもが扱えるサイズであり清潔でデザインが美しく、子どもが進んで手にとろうとするもの」が道具として使われています。

ただ、道具はままごとに使われるようなおもちゃではなく、大人も普段使っているような「乱暴に扱えば壊れるもの」です。

陶器のコップに水をそそいだり、ガラスのピッチャーを運んだりすることで、「子どもはモノを落とせば壊れてしまう」という当たり前のことを学びます。

また、食器を拭いたり、アイロンをかけたりなどの「家事」や、衣類の着脱やティッシュの使い方などの「生活に関する行動」も対象です。

何のために該当のお仕事をするのか関わり方を知ったり、今まで接したことのないものを扱うことで運動機能の発達を促したりします。

感覚教育

知的活動の基本となる感覚教育も、モンテッソーリ教育で重要なお仕事です。3~6歳の間に訪れる感覚の敏感期に、子どもの「視覚」「聴覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」の5種類の感覚を刺激します。

具体的には重さや長さ、色や大きさが違う教具を使用し、「モノを観察してどのように処理するか」を考える力を身につけるのです。

教具は複数の三角形を自由に組み立てて形をつくる「構成三角形」や触り心地が異なる「触覚板」、音の高低を聞き比べられる「音感ベル」など様々なものがあります。

言語教育

言葉は、人間が日常生活を送る上で欠かせない道具です。子どもはモンテッソーリ教育の仕事を通じて、すべてのものには名前があることを知り、言葉同士を接続して考えられるように成長します。

教具は、果物や乗り物、動物が描かれた「カード」や50音が書かれた「パズル」などです。絵合わせカードは、絵に関係するカードを組み合わせたりそろえたりして遊び、50音のパズルは並べて言葉を作ります。お仕事を通して、子どもたちは読み・書き・話す力を身につけるのです。

算数教育

モンテッソーリ教育では、算数をみっつの形態に分けて子どもたちに教えます。具体的なモノで感覚的に捉えられる「量物」、量を言い表す「数詞」、記号で表す「数字」です。

子どもは「算数棒」「ビーズ」「数字カード」などの教具を使ってみっつの形態を知り、数量概念を学びます。基礎から始まり、十進法、加減乗除の理解へと子どもがスムーズにステップアップするように教育するのです。

文化教育

文化教育では「歴史」「地理」「地学」「理科」「音楽」「美術」など幅広い分野が扱われます。目的は「子どもの知的好奇心に応え、興味の幅をできるだけ広げること」です。

小学校の社会や理科などにも通じるため、ゆくゆく歴史や理科が得意科目になる可能性もあります。芸術的なセンスも育めるため、「子どもの可能性を広げてあげたい」と考えるママ・パパにはうれしい教育です。

メリットとデメリットを理解する

モンテッソーリ教育は、子どもの自主性と自立心を育むことを目的とした教育です。たくさんのメリットがある反面、思わぬデメリットが発生することもあります。

大切なことは「自分の子どもにどのように成長してほしいか」です。モンテッソーリ教育を子どもに受けさせることで、どんなメリット・デメリットがあるのかを解説します。

メリット

子どもにモンテッソーリ教育を受けさせることで、子どもは自ら考えて決められる「自主性」と「積極性」を身につけるでしょう。誰にも指示されない環境で学べるため、「集中力」も身につきます。

さらに、年齢や性別がバラバラな子どもと同じクラスで関わるため、「社会性」も得られるのです。モンテッソーリ教育を受けることで、「自立心に富んだ個性的な子ども」に育つ可能性が高まることがメリットといえます。

デメリット

モンテッソーリ教育を受けた子どものなかには、自分1人で物事に取り組むことばかりに集中し、「周りの皆と一緒に行動すること」が苦手になってしまうケースがあります。「極端に強い自己主張」をするようになり、わがままな性格になってしまう可能性もゼロではありません。

また、モンテッソーリ教育は屋内での活動が多く「運動不足」になりがちだという指摘もあるため、スポーツ系の習い事を検討する必要があるでしょう。

さらに、モンテッソーリ教育を行っている施設では、共通のマニュアルが用意されているわけではないため、「教育のレベルは配属されている先生任せ」の一面があります。失敗しないためにも、事前に「施設環境」と「先生の教育方針や人柄」を調べておくことが大切です。