初心者向けの観葉植物の育て方。水やりや置き場所、植え替え方法は?

初心者向けの観葉植物の育て方。水やりや置き場所、植え替え方法は?

長く楽しむための植え替え作業

観葉植物を美しい姿で楽しむには、「植え替え」が欠かせません。植え替えの基礎知識や、やり方を見ていきましょう。

植え替えをする目的

植え替えは、観葉植物を丈夫に育てるために必要な作業です。植え替えをしないまま育てると、鉢の中が根でいっぱいになってしまったり、必要な養分が不足したりします。

生長が早い植物は、「1~2年」で鉢が窮屈になるでしょう。健康的な姿で育てるには、植物の大きさと「鉢のサイズ」を合わせることがポイントです。

生長が早い植物の場合、やや大きめの鉢に植えた方が安心かもしれません。しかし、あまりにも大きな鉢に植えてしまうと、水が乾きづらくなって根が腐る心配があります。今よりも「ひと回り大きな鉢」を選びましょう。

古い土は土の粒子がつぶれ、水はけが悪くなっています。害虫や菌が繁殖しているおそれもあるため、植え替えには新しい土が必要です。土をまるごと取り替え、必要な養分をスムーズに吸収できるようにしましょう。

適切なタイミング

植え替えのタイミングは、「購入してすぐ」と「育て始めてから2年ごろ」です。園芸店で購入したばかりの株は、小さなビニールポットに入っていることがあります。そのままでは窮屈なため、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。

また、1年中いつでも植え替えてよいというわけではなく、適期があります。生育が盛んな「5~6月ごろ」に植え替えると、植物に負担をかけにくいです。真夏や真冬など、生育が衰える時期に植え替えると、ダメージから回復しにくくなってしまいます。

植え替えのやり方

観葉植物を大きく育てたい場合、ひと回り大きな鉢に植え替えます。3号のビニールポット(直径9cm)を植え替えるなら、「4号鉢(直径12cm)」や「5号鉢(直径15cm)」を使用することが基本です。

小さく育てたい場合、葉や根を整理し、もとの鉢に植え替える方法もあります。葉が密集しすぎている部分や伸びすぎている部分があれば切り、根が傷んで茶色くなっている部分は取り除きましょう。

古い土は捨て、新しい「観葉植物用の培養土」を使って植えます。鉢の縁いっぱいまで土を入れると水やりがしづらくなってしまうため、縁から「1.5cm程度」まで土を入れましょう。

鉢底に軽石や鉢底石を敷き、その上に土を入れます。割り箸などでつついて内部にできているすき間を埋め、必要なら土を足しましょう。植え終わったら水をたっぷりと与えて、根づくまで半日陰で管理することがポイントです。

枯れてしまう原因と対処方法

お気に入りの観葉植物が枯れてしまうと、残念な気持ちになります。元気がなくなってきたら、原因を探って早めに対処することが大切です。枯れる原因や対処法を見ていきましょう。

日光不足

たくさんの日光を必要としない観葉植物でも、極端に日差しがない場所では元気をなくしてしまいます。植物の様子をよくチェックし、「茎がヒョロヒョロと頼りない状態」に育っているときや「葉が黄色くなって落ちてしまう」場合は日光不足が疑われるでしょう。

植物がよく生長する春~夏にかけては、日当たりのよい場所に置きます。日陰で育つとされている場合でも、まったく日に当てなくてよいわけではなく、ときどきは日光浴させた方が元気に育つでしょう。

直射日光に弱い観葉植物は「レースカーテン越し」に日光浴させることが基本です。日光不足で枯れた部分は切り取り、変色した葉があれば取り除きます。

日光不足で枯れてしまった葉は自然に落葉するのを待っていても問題ありませんが、生きている葉に養分を行きわたらせるためにも取ってしまうのもひとつです。

根詰まり

「根詰まり」は、鉢の中が根でいっぱいになっている状態のことです。そのままにしておくと生長が止まり、必要な水分や養分を根から吸収できなくなって枯れてしまいます。

水やりのタイミングや日当たりに問題がないのに枯れてきた場合や、最後の植え替えから「2年以上」が経過している場合は根詰まりが疑われるでしょう。水を与えても土に染み込んでいく様子がなく、すぐに鉢底から流れ出す場合も、根詰まりのおそれがあります。

解消するには植え替えが必要です。枯れた根や傷んだ根は取り除き、ひと回り大きな鉢に新しい土で植え替えましょう。

病気や害虫

日光不足や根詰まりなどの心配がないのに枯れてくる場合、病気や害虫が原因かもしれません。葉や茎の状態をよく見て、変化を探しましょう。枯れた葉をしばらくそのままにしておき、周りの葉が変色していれば何らかの菌が繁殖しているかもしれません。

もし、葉や茎に虫がついていたら取り除きます。観葉植物には、「カイガラムシ」や「ハダニ」などが発生することがあるでしょう。

どちらも、極度に乾燥したところやホコリっぽい状態で発生しやすくなります。風通しのよい場所に置き、ときどき霧吹きで葉に水分を与えるようにしましょう。

葉がところどころ変色している場合、「灰色かび病」にかかっているかもしれません。放置すると全体に広がってしまうことがあるため、変色した部分を切り取りましょう。