育児のための時短勤務はいつまで可能?

1日6時間を原則とする時短勤務(短時間勤務)は、介護・育児中に利用できる制度です。育児を理由として時短勤務をする場合には、子どもの年齢で期限が設けられています。
基本は3歳の誕生日を迎える前日まで
育児を理由に時短勤務を利用する前提条件は、3歳に満たない子どもがいることです。そのため、時短勤務が認められるのは「子どもが3歳になる誕生日の前日まで」とされています。
時短勤務は希望制のため、利用したい場合は雇用主に申出が必要です。時短勤務を開始する1カ月前までを目安に、子の氏名と続柄・制限を希望する期間(1カ月以上1年以内)などを書面にて通知しましょう。
ただし、時短勤務をしている期間に、産前・産後休業(産休)や育児休業(育休)などを取得する際は、産休・育休が始まったタイミングで時短勤務は終了となります。
なお、時短勤務が終了する休業には介護休業や、2022年10月から始まった「産後パパ育休」も含まれます。
3歳以降も時短勤務を認めている企業も
3歳から小学校に就学するまでの時短勤務は、国が企業に対して努力義務として位置づけた「短時間勤務等の措置」のひとつです。努力義務には企業の判断に任せるという意味があるため、3歳までの時短勤務と違って法的な拘束力はありません。
「短時間勤務等の措置」としては、1日6時間の時短勤務以外に、残業の制限・時差出勤・在宅勤務などが挙げられます。
時差出勤を利用すると、企業が認めた範囲内で始業・終業時刻の調整が可能です。例えば9~18時の勤務時間を10~19時や8~17時と、早めたり遅らせたりするイメージです。
夫婦で時差出勤を申請し、保育園の送迎を分担する方法もあります。在宅勤務が認められる場合は通勤の必要がない分、時間に余裕を持ちやすいでしょう。勤務先の就業規則などで、時短勤務以外の育児支援を確認しておくことも大切です。
時短勤務するメリット・注意点

通常の働き方とは異なる時短勤務は、メリットばかりではありません。時短勤務を賢く利用するためには、プラス・マイナスの両面を確認しておくことが重要です。
家事・育児と両立しやすい
時短勤務する大きなメリットは、家事・育児と両立しやすい点にあります。
時短勤務は短い時間で働ける分、家事・育児にゆとりが生まれます。通常の場合よりも早く帰宅できるため、フルタイムと比べて家族と過ごす時間が長くなるのも特徴です。
長い育児休業から復帰する場合には、いきなりフルタイムで働くと、心身に負担がかかってしまう恐れもあります。短時間勤務から段階的にフルタイムへ戻していくことで、仕事のストレスを軽減できるでしょう。
給与・手当の額が下がる
1日8時間程度の勤務時間を6時間程度までに短縮すると、当然ながらもらえる給与額は下がります。
特に注意したいのは、フルタイムに比べて賞与はもちろん、出産手当金・育児休業給付金といった諸手当も少なくなるという点です。
出産手当金・育児休業給付金の額は、支給前の給与に基づいて計算されます。つまり、フルタイムと比べて勤務時間の短い時短勤務は、給与額の減少に伴い、出産手当金・育児休業給付金の額も下がるというわけです。
