【ファラオの密室】著者・白川尚史さんが30代女子にオススメしたい2冊

【2024年・第22回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作】「ファラオの密室」著者・白川尚史さんが推薦する2冊をご紹介します。

挑戦するあなたに必要なヒントが詰まった二冊

 近頃、「何者かになりたい」という言葉を聞くようになった。確かに自らの在り様は大切だ。しかし、見知らぬ誰かにラベルを貼られることがゴールではあるまい。むしろ、自分自身が何を為したか、これから何を為すのか、自ら語っていくことが肝要であろう。『自分で「始めた」女たち 「好き」を仕事にするための最良のアドバイス&インスピレーション』は、そのタイトル通り、自ら何かを始めた女性、それも100人以上にインタビューを行った本である。彼女らは人生観や経験した困難、そして成功や誇りについて、生き生きと語っている。ページを繰っていけば、読者の皆様も共感する言葉がきっと見つかるはずだ。私のお気に入りは、イタリアのイラストレーター、オリンピア・ザニョーリのこの言葉である。「他の誰かではなく、自分自身であれ」 

 一方、新しいスタートには不安もつきものだ。そんな時、『やり抜く力』は成功の秘訣を教えてくれる。それは才能ではなく、何かをやり抜く力で、訓練で伸ばすことができるのだ。それだけ聞くと、逆境で奮起することが大切なように聞こえるかもしれないが、実は瞬間的な力よりも、むしろ粘り強く継続的なコミットこそが重要であると本書は語る。これから何かに挑戦する人に、ぜひ読んでほしい本である。



『自分で「始めた」女たち「好き」を仕事にするための最良のアドバイス&インスピレーション』
グレース・ボニー著、月谷真紀訳/海と月社

起業・独立を考えている女性、既に実行に移している女性など、数多くの女性たちから支持と共感を受け、アメリカで30万部を記録。さまざまな仕事で活躍する112人にインタビュー。夢を追いかけた先にある美しい世界を伝える。

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『やり抜く力』
アンジェラ・ダックワース著、神崎朗子訳/ダイヤモンド社

ハーバード×オックスフォード×マッキンゼーの心理学者が「人生のあらゆる分野での成功に必要な最重要ファクター」をついに解明。「グリット」の秘密を解き明かし、世界の能力観・教育観を根底から変えた世界的ベストセラー。

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今回、おすすめ書籍を教えてくれたのは…
白川尚史さん

1989年、神奈川県生まれ。東京大学工学部卒業。第22回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞し、2024年に『ファラオの密室』(宝島社)でデビュー。



『ファラオの密室』
¥1,650/宝島社

時は古代エジプト。死んでミイラにされた神官のセティは、自分が死んだ理由を突き止めるため現世に蘇る。一方、ピラミッドから王のミイラが消失し……。期限は3日。謎が解けた時、大きな感動が押し寄せる。

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