昭和13年春、明律大学を卒業した寅子(伊藤沙莉)たち。寅子は雲野(塚地武雅)の法律事務所で働きながら高等試験合格を再び目指すことに。 一方、竹もとで働きながら勉強を続けていた香淑(ハ・ヨンス)のもと...

【朝ドラのツボ!】

NHK朝ドラ「虎に翼」~第6週「女の一念、岩をも通す?」#27



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 昭和13年春、明律大学を卒業した寅子(伊藤沙莉)たち。寅子は雲野(塚地武雅)の法律事務所で働きながら高等試験合格を再び目指すことに。

 一方、竹もとで働きながら勉強を続けていた香淑(ハ・ヨンス)のもとに、特高がやってくる。兄・潤哲(ユン・ソンモ)が思想犯の疑いをかけられたことで、香淑自身もずいぶん前から目を付けられていたのだった。寅子たちは香淑が抱えていた事情を知り、衝撃を受ける。

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【本日のツボ】

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辞書を手に「Uncle Tom’s Cabin」を読む玉(羽瀬川なぎ)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 卒業後は雲野法律事務所で働くことになった寅子。やる気満々の寅子ですが、最初の仕事は「とりあえず、お茶入れて」。そう雲野に言われた時の寅子の微妙な表情。

 そういえば、前期のドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」(フジテレビ系)でも、原田泰造演じる古い価値観をもった主人公が、「女の子が入れたお茶のほうがおいしい」などと無邪気な発言をして、社内をドン引きさせていましたっけ。

 それはともかく、卒業で離ればなれになるかと思ったら、同じ志を持つ仲間たちが、甘味処「竹もと」で勉強会を開いていて安心しました。よく見ると轟(戸塚純貴)の姿もあります。

 その中で目を引いたのが、涼子(桜井ユキ)のお付きの玉が辞書を片手になにやら神妙な顔つきで洋書を読んでいる姿です。

 表紙に「Uncle Tom’s Cabin」と書かれたその本は、黒人奴隷トムの数奇な運命を描いた物語で、邦題「アンクル・トムの小屋」として知られています。玉がなぜこの本を手にしたのか、気になります。

 辞書を引きながらとはいえ、原書を読めるまでに上達した玉の語学力は努力の賜物でしょう。学ぶ意欲があれば、誰でも高みにいけることを玉が身をもって教えてくれました。

今時のノマド?



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 それにしても、「竹もと」のおじさん&おばさん、人が良すぎるのではないでしょうか。香淑を住み込みで雇うだけでなく、勉強会の場所まで提供してあげるとは。

 しかも、あんなに目立つ席を占拠されても文句のひとつも言わないどころか、お茶のサービスまで。あんなところで勉強されれば、ほかのお客さんは落ち着いてあんみつやお団子を食べられないのではないかと。さしづめ、今ならスタバで勉強している高校生グループのようなものですね。

 彼らを見つけると「勉強は図書館でしろよ」などと心の中で毒づいているのは私だけではないはず。

 花岡と寅子の距離感も気になります。

(桧山珠美/TVコラムニスト)