突然の【ホットフラッシュ】で慌てない。今すぐ取り組める「対処方法」とは

暑い日でもないのに、突然汗をかいたりからだが火照ったりして焦ってしまうことありませんか? このような状態は更年期の女性に多い【ホットフラッシュ】と呼ばれる症状ですが、最近では20代や30代の若い女性でも症状を自覚する人も。そこで今回は、そんなホットフラッシュが起こる「メカニズム」とその「対処方法」を紹介します。

ホットフラッシュの「メカニズム」

ホットフラッシュとは、急にからだの火照りやのぼせ、大量の発汗、動悸などの症状が起こることを指します。気温に関係なくこのような症状があらわれるため、状況によっては突然の症状に困惑する方もいるでしょう。症状は数分間続き、少しずつ自然に治まっていきます。また、突然の興奮やイライラ、不安感のような精神的な不調も症状の1つとされています。

このホットフラッシュは、体温調節を担う自律神経の乱れが主な原因。自律神経の乱れはホルモンバランスが崩れることで生じることが多く、加齢やストレス、睡眠不足、運動不足などによってホルモンバランスが崩れることで、自律神経が乱れ、ホットフラッシュの症状が出てしまうのです。

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今すぐ取り組めるホットフラッシュの「対処方法」

「ホットフラッシュ」が起きたとき、手軽に症状を軽減できる方法はいくつかあるので、簡単に紹介します。

(1)からだを冷やす

「ホットフラッシュ」は、からだに熱がこもっている状態なので、顔に風を当てたり、冷たいタオルで首を冷やしたりしてからだを冷やしましょう。ハンディ扇風機や扇子などを常に携帯しておくのがおすすめです。

(2)ツボを押す

ホットフラッシュが起きているときは、交感神経の働きが優位になっているので、副交感神経働きを優位にするツボを気持ちいい程度の強さで押すようにしましょう。

▲手の甲側の人差し指と親指の骨が交差する付近のくぼみにある「合谷(こうごく)」は副交感神経働きを優位にするツボの中でも特に押しやすいツボです

(3)漢方薬を活用する

漢方薬の服用もおすすめ。漢方薬は日本産婦人科学会で更年期障害の標準治療のひとつとして推奨されており、婦人科でも処方されています。ホットフラッシュの対策には、自律神経や血流の乱れを整える働きのある下記の漢方薬がおすすめです。

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)…上半身ののぼせだけでなく、下半身の冷えも気になる方におすすめの漢方薬で、血流をよくして冷えのぼせなどを改善します。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)…のぼせやイライラ、気分の落ち込みなどが気になる方におすすめの漢方薬で、自律神経のバランスを整える効果を期待できます。

なお、漢方薬を選ぶときには自分の体質に合ったものを選ぶことが重要。体質にあわないものを選んでしまうと、効果を感じられないだけでなく、副作用が出る恐れもあるので、自分にあった漢方薬をプロに選んでもらうようにしましょう。

ホルモンバランスや自律神経の乱れを防ぐには、ストレスをためず、十分な睡眠や適度な運動などの健康的な生活習慣も重要。からだを冷やすグッズやツボ押し、漢方薬なども活用しながら、ぜひホットフラッシュ対策に取り組んでみてくださいね。<text:薬剤師・中田 早苗>

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