ミラノ・コルティナ冬季五輪の開幕を2月6日に控え、1日にはIOC(国際オリンピック委員会)のカースティ・コベントリー会長が記者会見を行なった。同会長は「万全な準備を整えている」と語るとともに、昨年6月に史上最年少となる41歳で同職に就いて以来、最初のビッグイベントへの期待も明かしている。
大会開幕に向けて「極めて順調に準備は進んでいる」と強調した元五輪金メダリスト(アテネ、北京大会の200m背泳ぎで連覇)は、「選手たちも(イタリア各地に)到着し始めており、大きな高揚感がある。大会は複数の地域に分散して開催されるが、それは既存の会場を最大限に活用するために下された決定であり、選手たちは、イタリアを象徴する街に設けられた、世界トップクラスの会場で競技を行なう」と説明した。
そして、「我々が互いを尊重しながら共に生きていけるのかを世界に示したい。なぜ我々がオリンピック精神を信じているのか、なぜ人々を結びつけ続けたいと願っているのかを思い出す時だ。我々が敬意をもって生きるのを選択ができる、という場面を思い出す時である」とも語っている。
IOCが史上初の女性会長を迎えた一方で、競技に目を移すと、1924年から五輪正式種目となっているノルディック複合は、今回も女子種目が存在しない。FIS(国際スキー・スノーボード連盟)の要請にもかかわらず、IOCは2022年大会と2026年大会のいずれについても、女子種目の追加案を却下してきた。
この件を指摘したドイツの通信社『dpa』によれば、IOCはこの決定について、ノルディック複合そのものが「存続の危機にある」として、正当化しているという。IOCは2022年の声明で、同種目は同年の大会において「群を抜いて最も視聴者数が少なかった」と明かしており、「直近の3大会において、獲得可能だった27個のメダルが、わずか4つのNOC(各国五輪委員会)の選手に独占された」「欧州以外での国際的な広がりの欠如」を強調している。
話を会見に戻すと、コベントリー会長は現在、五輪に関連して、競技以上に世界の注目を集めてしまっているICE(移民・関税執行局)の派遣、性的人身売買罪での拘留中に自殺した富豪ジェフリー・エプスタイン氏と2028年ロサンゼルス五輪組織委員長ケイシー・ワッサーマン氏との関連を示す文書など、数々の問題についてもコメントを求められる流れとなった。 前回は、冬季五輪期間中にICEの職員が配置されるのに抗議するため、先週土曜日にミラノで数百人のデモ参加者が集会を断行。イタリア、アメリカがともに、ICEの職員が決して街頭で活動するわけではなく、管制室で業務を遂行すると明言しているにかかわらず、自国で2名の市民を射殺した同組織に対する人々の拒否反応は非常に強く、大きな注目を集めてしまっている。
一方、後者については、エプスタイン氏に関して新たに公開された政府文書に、2003年にワッサーマン組織委員長と、エプスタイン氏の元恋人ギレーヌ・マクスウェル氏との間で交わされた電子メールが含まれており、大きな物議を醸すこととなった。
このアメリカ発の問題については、「我々も、アメリカ当局も、必要な説明はすべて行なっていると私は考えている。したがって警備面の一部について、我々はこれ以上コメントする立場にはない」「(ワッサーマン組織委員長の件については)話し合いはしていない。彼はすでに声明を出していると認識しており、我々としてはこれ以上、付け加えるつもりはない」と、コベントリー会長の歯切れが悪かった。
そして、「これらの大会そのものから注意をそらすようなスキャンダルは、何であれ悲しい。しかし、こういった愚行は(IOCが)長年にわたって学んできたものでもあり、大会に向かう過程では、常に(競技以外の)何かが話題の先頭に立ってきたものだ。ジカ熱、新型コロナウイルス...これまでも必ず何かがあった」と心情を明かした会長は、以下のようにも続けている。
「私の希望を繋ぎ止めてくれているのは、開会式が行なわれ、選手たちが競技を始めた瞬間に世界が突然、大会が持つ魔法や精神を思い出し、本当に大切なものが何なのかに気づき、そして感動を受けるようになる。我々はその瞬間を本当に楽しみにしている」
構成●THE DIGEST編集部
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