「彼は投げない。彼自身の判断だ」
「投げるかどうかは、ちょっとまだ分からないんですけど、最後の最後まで調整次第」
ロバーツ監督は明確に否定するのに、ドジャース・大谷翔平は含みを持たせる発言。3月5日から始まるWBCでの、大谷の二刀流に関する両者の食い違いがこれだった。大谷はさらにこう付け加えた。
「体の状態を見てになるんじゃないかなとは思う。去年復帰したばかりで今年、投げるにあたって、その時期に数は分からないですけど。投げるのがどうなのかっていうところも含めて。状態を含めての話になってくるのかなとは思ってるので。そこはまた球団とコミュニケーションをとって」
過去の右ヒジ手術歴から慎重な姿勢を崩さないながら、なんとも言えない言い回しだった。
その後、大谷は大会での登録が「指名打者」となり、二刀流の可能性は消えたのだが、それもそのはずで、
「投手で出場する場合、保険適用が極めて困難で、保険料が多額になります。ドジャースとしては、レギュラーシーズン開幕に合わせてほしい。前回大会では当時所属していたエンゼルスが登板許可を出したため、決勝戦の9回にトラウトを三振に取る名シーンが生まれました」
ところが、である。大谷は完全に諦めたわけではなかった。現地記者が声を潜めて明かす。
「今年の大会でも1イニング限定、20球限定で特別許可を出すようにと、ヤル気マンマンの大谷本人がドジャースに陳情を出しています」
ドジャースはワールドシリーズ3連覇に向けて、投手・大谷が不可欠な戦力であり、
「マウンドに行くと血が上り、フルスロットルになってしまう大谷を、ドジャースのフロントは危惧しています。10年総額7億ドル(1100億円)で契約を結んでいる球団の宝ですから、WBCで肩やヒジが飛んでしまえば大問題に発展します。ドジャース首脳はムチャな投手強行出場を、全力で制止するでしょう。言い出したら聞かない頑固者の大谷と、止めたいドジャースの泥沼の暗闘に発展したらもう…」(現地記者)
はたして大谷はどこまでゴリ押しするのか。
(高橋裕介)

