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「一夜で“モウ”が帰ってきた」マドリー撃破で再点火、CL再戦は“監督の椅子”を懸けたモウリーニョ劇場第2幕

「一夜で“モウ”が帰ってきた」マドリー撃破で再点火、CL再戦は“監督の椅子”を懸けたモウリーニョ劇場第2幕

ジョゼ・モウリーニョが久方ぶりにスペインメディアの注目を集めている。ジョゼップ・グアルディオラ率いるバルセロナと覇を競い、ラ・リーガの主役として君臨したレアル・マドリーを去ってから、今年の5月で13年。その後は、チェルシーに復帰した2年目の2014-15シーズンにプレミアリーグを制覇して以降は目立った成功を収められず、各地のクラブを転々と渡り歩いた。2024年6月にフェネルバフチェの監督に就任した際には「都落ち」の感も否めなかった。ベンフィカへの帰還も、引退前に古巣へ戻る大物選手のような、郷愁を誘う存在になりつつあった。

 転機は、チャンピオンズリーグ(CL)リーグフェイズ最終節におけるマドリーとの再会だ。戦前、公式戦3連勝中のマドリーに対し、スペインメディアは決勝トーナメントにストレートインする前の「トップ8入りへの単なる停留所」と位置づけていた。一方、ベンフィカは先月、リーグカップを準決勝で、ポルトガル・カップからも準々決勝で立て続けに敗退し、国内リーグでもポルト、スポルティングに次ぐ3位に甘んじていた。しかし、ベンフィカはマドリーに4-2で勝利。試合終了の笛が鳴ると、モウリーニョはテクニカルエリアを飛び出し、戦前に「愛弟子の一人」と称したアルバロ・アルベロアの眼前で歓喜を爆発させた。その光景は、往年の「モウリーニョ劇場」の再来そのものだった。

 しかし、物語は終わらない。CLプレーオフ(PO)で即座に再戦が決定したからだ。この展開に、スペインメディアは当然色めき立っているが、その先のシナリオを描くのが大手スポーツ紙『AS』のマルコ・ルイス記者だ。

 同氏はリーグフェイズでのベンフィカの勝利直後に、次のように展望していた。

「モウリーニョにとって、すべてが完璧に運んだ。シーズン終了まで事態がどう推移するかを見守る必要はあるが、一つだけ確かなことがある。彼は再び、その情熱の炎を燃え上がらせた。マドリディスタの一部には、今なお彼の復帰を熱烈に待望する声がある。サンティアゴ・ベルナベウの内部から漏れ聞こえてくるのは『現時点でモウリーニョという選択肢はない』という方針だが、だれも予想しえなかった急展開を見せるのが、フットボールというものだ」
 「ポルトガル国内では、彼がベンフィカでの2年目を全うする形を期待する声がある。しかし、モウリーニョの前に二つの巨大な扉が、極めて高い確率で開かれようとしている事実に気づかない者はいない。一つは、ポルトガル代表監督への就任。もしロベルト・マルティネス監督が北中米ワールドカップで優勝という結果を残せなければ、その座が空くことになる。そしてもう一つは――。なぜ、あり得ないと言い切れるだろうか。そう、マドリー監督への帰還という扉だ」

 そして、再戦決定を受けてさらに踏み込んだ。

「つい最近までどん底にいたのに、一夜にしてかつての『モウ』へと回帰し、再び胸を張っている。運命は今、彼に再びチャンスを与えようとしているのだ。突如として、モウリーニョはあらゆる選択肢をその手に握る好機を得た。ベンフィカでの続投、ロベルト・マルティネスが退任した場合のポルトガル代表指揮官、そしてマドリー監督復帰の可能性まで。フロレンティーノ・ペレス会長も、開始直後から死に物狂いで食らいつき、90分間プレスをかけ続けたベンフィカの選手たちの姿を、しかと脳裏に刻んだはずだ」

「これほどのキャリアを積んできた指揮官にとって、弟子にCLから追い出されるほど、屈辱的な結末はないだろう。モウリーニョのことだ、最悪の結果に備えて『自分たちは格下』というメッセージを巧みに操り、自らを守る術も心得ているだろう。ただ一つ確かなのは、これからマドリーとの再戦(2月17日&25日)が終わるまでの数日間、我々は嫌というほど『モウリーニョ劇場』を目の当たりにするということだ」

 迎え撃つアルベロア監督の立場も安泰ではない。スペイン紙『MARCA』は、アルベロアが今年6月以降も契約を続けると報じているが、クラブ側は依然として公式発表を控えている。その地位は不安定なままである。現在、首位バルサと1ポイント差で、ラ・リーガ優勝の可能性を十分に残しているとはいえ、このCLのプレーオフで敗退を喫すれば、続投への風当たりが強まるのは避けられないだろう。

 つまり、マルコ・ルイス氏の見解に照らし合わせれば、この2試合は師弟による「マドリーの監督ポスト」を懸けた戦いとも位置付けらる。モウリーニョにとっては勝利の先にさらなる道を切り拓く機会となり、アルベロアにとっては、自らの価値を証明するための戦いとなる。間違いなく、大注目の再戦だ。

文●下村正幸

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配信元: THE DIGEST

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