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スタジアムが湧いた川崎アカデミー育ちのDF松長根悠仁のゴールの裏側。喜びを爆発させた吉田勇樹コーチとスタンドにいた福島の面々らへの想い

スタジアムが湧いた川崎アカデミー育ちのDF松長根悠仁のゴールの裏側。喜びを爆発させた吉田勇樹コーチとスタンドにいた福島の面々らへの想い


[J1百年構想リーグEAST第1節]川崎 5-3 柏/2月8日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 シーズン移行に伴う半年間の特別大会「百年構想リーグ」の開幕戦として行なわれた川崎と柏のゲーム。毎回、点の取り合いとなるこの一戦を川崎が5-3で制してみせた。

 長谷部茂利体制2年目の川崎は、相変わらずショートカウンターの鋭さが抜群で、特に試合序盤は4-2-3-1でのハイプレスで柏のポゼッションを寸断し、奪えば、手数をかけずに攻め切り、CFエリソン、MF伊藤達哉、MF脇坂泰斗、新戦力のMF紺野和也の個の力を活かしてチャンスを作った。現に25分までにエリソンがハットトリックを記録して試合を優位に進めてみせた。

 しかし、38分と、61分に失点。昨季はリーグトップの得点数の一方で、失点数はリーグワースト3位タイで、オフにはGKスベンド・ブローダーセン、CB谷口栄斗、SB山原怜音と即戦力を獲得し、柏戦でも先発させたが、守備面の課題は引き続き改善が必要と言えそうだ。

 もっとも3-2と柏に迫られた苦しい時間帯、チームを救ったのが、今季、レンタル先のJ3福島から復帰した21歳の松長根悠仁だった。

 左右のSBをそつなくこなす特長を持つ松長根は、この日はCBとして先発。失点シーンの対応には課題が残ったはずだが、68分にはスコアを4-2にする貴重なゴールをCKからの技ありヘッドで奪ってみせたのだ。福島では2ゴールを挙げていたが、これが嬉しい川崎での、そしてJ1での初ゴールとなった。

 川崎アカデミーでは昨夏に欧州移籍した高井幸大、ロス五輪を目指す年代別代表や昨季はA代表も経験した大関友翔らと同期で、彼らの活躍に思うところはあったに違いない。

 それでも松長根はここ2年、川崎時代にも指導を受けた寺田周平監督の下、福島で一歩ずつ成長し、逞しさ増して今季川崎に復帰を果たしたのだ。その背景を知るからこそ、スタジアムが大きな盛り上がりをみせたのは言うまでもない。
 さらに松長根のゴールを誰よりも喜んでいる人物がいた。それが、自身もアカデミーの出身である吉田勇樹コーチだ。

 攻撃のセットプレーは昨季はベンチから大黒将志コーチが指示を送ったが、今季はその大黒コーチが奈良の監督に就任したことで、吉田コーチが役目を継いでいる。

 松長根のゴールシーンでも指示を送り、ボールがネットに吸い込まれると喜びを爆発させた吉田コーチは振り返る。

「キッカーも他の人もしっかり役割を果たしてくれて狙い通り取ることができました。ヘディングも上手でしたし、良かったです。彼のJ1初ゴールですからね。本当に良かったです。毎試合、(セットプレーからも)得点ができるように、選手を信じて頑張ります」

 また、この日のスタンドには千葉・成田でキャンプを張る福島の面々、かつて川崎で指揮も執った関塚隆シニアアドバイザーや、かつてのチームメイトが駆けつけていたなかでのゴールという点でも印象深かった。松長根も吉田コーチとともに感謝を口にする。

「吉田コーチがいろいろ指導してくれている分、めちゃくちゃ喜んでいたんだと思います。僕も感謝ですね。狙い通りのところはありました。“あそこ”と言われていてフリーになることができました。本当、ありがとうございますという想いですね。

 福島の人たちもスタジアムに来てくれていたようで...本当感謝です」

 柏戦ではコンディション不良だった佐々木旭の不在によりCBの先発を掴んだ松長根だが、今後はより厳しいレギュラー争いが待っている。それでも果敢に戦うその姿に期待したい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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