今、フランスのリーグ・アンで評価を急速に高めている日本人選手がいる。ル・アーブルに所属するDF瀬古歩夢だ。加入当初は国内での知名度こそ高くなかったが、着実なパフォーマンスを積み重ねることで、その存在感を確かなものにしてきた。
欧州戦術に精通するアナリスト、ダニエル・マーサー氏は、専門サイト『Football World Cup News』への寄稿で瀬古の成長を高く評価している。安定感のある守備と広範囲をカバーする機動力、そしてチーム全体のバランスを整える能力に、ディディエ・ディガール監督が早い段階から目を付けていたという。内向的だった加入直後の姿は、いまやピッチ上での堂々とした存在感へと変わり、スタッフやサポーターの信頼も勝ち取った。
瀬古の飛躍を語る上で欠かせないのが、指揮官との信頼関係だ。ディガール監督は彼を単なる守備要員ではなく、「試合を円滑にするファシリテーター(調整役)」と位置付ける。複数ポジションを高水準でこなし、ミスが少なく計算の立つプレーは、チームに大きな安心感をもたらしている。何より、日々のトレーニングに真摯に取り組む姿勢が周囲の評価を高めている。
とりわけ象徴的なのが、センターバックからアンカーへのコンバートだ。この将来的な成長を見据えた起用に瀬古自身も前向きに応じ、危機察知能力や縦への意識を磨いた。結果としてプレーの幅が広がり、市場価値も大きく向上している。
加入1年目ながら高い稼働率を誇り、フィジカル色の強いリーグ・アンにも即座に適応。ピッチ内外で示す姿勢は、若手にとって理想的な模範となっている。仏メディアが「超・新星」と評するように、瀬古歩夢の挑戦はまだ始まったばかりだ。努力の積み重ねが才能を開花させる――その過程を、彼はフランスの地で体現し続けている。
文●下村正幸
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