男子テニス元世界ランキング3位の名手マリン・チリッチ(クロアチア/現61位)が、現地2月10日に行なわれた「Nexoダラス・オープン」(アメリカ・ダラス/室内ハードコート/ATP500)のシングルス1回戦で第8シードのラーナー・ティエン(アメリカ/同23位)を7-5、7-6(4)で下し、現役選手でノバク・ジョコビッチ(セルビア/同3位)に次いで2人目となる節目のツアー600勝を達成。クロアチア人男子選手としても元2位のゴラン・イバニセビッチが持っていた599勝を上回る最多記録を樹立した。
この試合、チリッチは先の「全豪オープン」で初の四大大会ベスト8進出を果たした20歳の新鋭ティエンを相手に、ファーストサービスで87%と高いポイント獲得率を記録。2度のブレークを奪って第1セットを先取すると、第2セットもタイブレークの末に制し、1時間50分の熱戦を物にした。
37歳にして新たなマイルストーンを手にしたチリッチは、オンコートインタビューで次のように喜びを語っている。
「ここ数年は本当に色々なことと闘ってきて、とても大変だった。この節目の記録に到達できたことは本当にうれしい。これは、自分がテニスにどれだけ献身してきたかを物語っている。今日はただただ素晴らしい1日になった」
2005年にプロ転向したチリッチはこれまでにツアーレベルで21個のタイトルを獲得しており、14年全米オープンでは準決勝でロジャー・フェデラー(スイス/元1位)、決勝でライバルの錦織圭(元4位/現284位)を破って四大大会初優勝を達成。その後も17年ウインブルドンと18年全豪オープンで準優勝するなど、198センチの長身を生かした強力なサービスとストロークを武器に、数々の輝かしい功績を残してきた。
そんな順風満帆なキャリアが暗転したのは23年1月だった。「タタ・オープン・マハラシュトラ」(ATP250)の準々決勝直前にヒザの外側半月板を損傷し、初の外科手術を決行。7月の「クロアチア・オープン」(ATP250)で1度カムバックするも1回戦敗退後に再度の戦線離脱を余儀なくされた。それでも同箇所の再手術を経て、24年8月には実戦復帰を果たした。
そしてその1カ月後には、世界777位で出場した「杭州オープン」(ATP250)を制し、1990年のATPツアー創設以来史上最低ランクでタイトルを獲得。昨季も出場21試合で8勝13敗ながらチャレンジャー(下部大会)2勝を挙げ、一時1000位台にまで落としていたランキングも現在は61位まで回復させている。
勝ったチリッチはベスト8進出を懸け、2回戦でワイルドカード(主催者推薦)のトレバー・スバジダ(アメリカ/現363位)とイーサン・クイン(アメリカ/同74位)の勝者と対戦する。次戦も37歳の奮闘を期待したい。
文●中村光佑
【動画】チリッチがティエンを破ってツアー600勝目を挙げたダラス・オープン1回戦ハイライト
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