最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
脳トレ四択クイズ | Merkystyle
【雑草プロの世界転戦記38】次のカテゴリーにいつ移行するか? プロになるために重要なジュニア期のキャリア形成<SMASH>

【雑草プロの世界転戦記38】次のカテゴリーにいつ移行するか? プロになるために重要なジュニア期のキャリア形成<SMASH>

25歳でテニスを始め、32歳でプロになった市川誠一郎選手は、夢を追って海外のITF(国際テニス連盟)大会に挑み続ける。雑草プレーヤーが知られざる下部ツアーの実情や、ヨーロッパのテニス環境、選手たちの取り組みについて綴る転戦記。

―――◆―――◆―――

 今回からは、ヨーロッパの選手がどういう行程を経てプロになっていくのかを紹介したいと思います。

 ヨーロッパでプロ選手を目指すには多くの場合、低年齢ジュニア期は「テニスヨーロッパ」(※欧州48カ国が加盟する大規模な地域協会)のジュニアツアーに参加し、その後「ITFジュニア」(※国際テニス連盟主催のジュニアツアー)へ、そしてジュニア中後期から「ITFプロツアー」(※一般の下部ツアー)に移っていきます。

 ジュニア期のキャリア形成においては、いつから出場大会のカテゴリーを移してくかの判断、プランニングが非常に重要になってきます。ジュニア期は時間が限られており、移行が半年遅くなるだけでも大きな遅れとなることも多いのです。

 また、ヨーロッパと日本ではジュニア大会からプロ大会への移行時期について基本的な考え方がずれています。そこで今回は実際の例から、男子ジュニアのキャリア形成の方針を見ていこうと思います(男子と女子では大きく異なるのでご注意ください)。

 日本ではITFジュニアを回らず、全日本ジュニアなどを大きな目標にプレーする選手も多いため、かなりのトップジュニアですらプロツアーに出るのはジュニア期が終わってからというケースも珍しくありません。しかし世界を見れば、過去には17歳でグランドスラムを優勝した男子選手もいるのが現実です。

 欧米ではそうした世界のトップ選手のキャリア形成が具体的に認知されており、14、15歳からプロツアーに出る選手はたくさんいます。その大半はトップジュニアですが、中にはトップジュニアでなくても早期からプロツアーに多数参戦する選手もおり、最初の1、2年は負けが込んでも出場を続け、経験を重ねる中で徐々に勝てるようになっていきます。
  僕の知っている選手で、全く戦績がなく、ジュニア大会の出場経験すらない状態で、14歳から何年間にもわたってITFプロ大会のみに毎週出場を続ける、というかなり極端なアプローチをしてきた兄弟がいます。当初は毎週ほとんどゲームも取れずに負けることが2年ほども続きましたが、それでも関係なく出場を続け、現在は19歳の弟が世界ランキング700位、21歳の兄は200位台のギリシャ代表にまで到達しています。

 日本では十分な実績がないと、「そんなレベルでプロに挑戦するの?」といった否定的な見方をされがちで、トライしづらい環境ですが、常に今のレベルよりも先のレベルを狙って大会にチャレンジすることは非常に重要です。

 次のレベルを経験し、その舞台で戦うことで、選手は次のレベルに必要なものが何かを知り、成長します。負けるのを恐れて今いる土俵で戦っていては、次のレベルに挑戦するのがどんどん遅くなります。いつまで経っても次のステージに移行できず、結果的にタイミングを逃すことも多いのです。

文●市川誠一郎

〈PROFILE〉
1984年生まれ。開成高、東大を卒業後ゼロからテニスを始め、32歳でプロ活動開始。36歳からヨーロッパに移り、各地を放浪しながらITFツアーに挑んでいる。2023年5月、初のATPポイントをダブルスで獲得。Amebaトップブロガー「夢中に生きる」配信中。ケイズハウス/HCA法律事務所所属。

【画像】雑草プロの世界転戦記・ヨーロッパのジュニア大会情景集

【画像】雑草プロの世界転戦記・イギリスをはじめヨーロッパ各国の国内大会やテニスコートの風景

【画像】雑草プロの世界転戦記・イギリスをはじめヨーロッパ各国の下部ツアーの風景
配信元: THE DIGEST

あなたにおすすめ