「全豪オープン」と、直後の大会での連続優勝なるか?
2月8日に開幕した女子テニスツアー、WTA1000の「カタール・トータル・オープン」。その最大の話題は、この一点だ。
記録に挑むのは、エレーナ・ルバキナ。全豪オープンと同大会の連続優勝者となると、2013年のビクトリア・アザレンカまで遡らなくてはならない。加えてルバキナは現在、自己最高位に並ぶ世界ランキング3位につけており、2位のイガ・シフィオンテクとのポイント差は455。自己最高位更新、そして本人も「現時点での大きな目標」と語る世界1位到達のためにも、カタールで勢いをつけたいところだ。
全豪オープン後に体調を崩したというルバキナだが、シードのため1回戦免除で迎えた2回戦では、ワン・シンユに6-2、6-4で快勝。第2セットでは先にブレークを許したが、ゲームカウント2-4から4ゲーム連取でゴールまで駆け抜けた。
試合後のルバキナは、「ここのコートは全豪オープンに比べて遅いので、慣れるのに少し時間がかかった」と、サーフェスの特性に言及。13年の長きにわたり、全豪オープンからの連続優勝者が出ていない理由の一端が、ここにあるのだろう。
同時にルバキナは、「私は速いコートが好きだけれど、遅い環境にも慣れなくてはいけない。そうすればインディアンウェルズ(BNPパリバ・オープン)でも戦いやすいから」と明言。毎年3月に北米で開催されるWTA1000をも視野に入れ、高く跳ねるサーフェス対策にも注力していると言った。
ここ最近のルバキナに見られる変化の1つに、会見等での言葉数と笑顔が増えたことが挙げられる。以前は、聞かれた以上の話題に言及することは少なかったが、今は「世界1位」や、先々のことも自ら口にするように。その姿からは、心身の充実がうかがえる。
会見での話題といえば、こんなシーンもあった。セレナ・ウィリアムズ復帰の噂からの流れで、「もし『レジェンド』と呼ばれる選手と対戦できるとしたら、誰が良い?」と聞かれた時。彼女は表情を輝かせ、「マリア・シャラポワ」と即答した。
「マリアとは、過去に何度か同じ大会に出たことはあるのに、試合したことも、一緒にボールを打ったこともなかった。マリア、あとはビーナス(ウィリアムズ)の全盛期と対戦したいと思っている。
もしマリアと対戦したら、彼女はとても攻撃的な選手だし、サービスもいい。それは私も同じなので、超高速ラリーが展開される試合になるんじゃないかな」
ちなみにルバキナは、『対トップ10との勝率』は23勝11敗、67.6%という高い確率を誇る。これは現役選手ではトップ(※対トップ10との対戦が25試合以上の選手)。歴代でも彼女より上にいるのは、74.3%のセレナ・ウィリアムズただ1人だ。
常に表情を変えずに淡々とプレーし、先の全豪優勝の瞬間も、拳を胸の前に掲げるだけという極めて控えめな歓喜の表出に終始したルバキナ。ただ実は、そんな彼女のモチベーションは、強い相手と戦い勝ちたいという、ピュアで原初的な情熱なのかもしれない。
ルバキナは3回戦でもジェン・チンウェンに4-6、6-2、7-5で競り勝ち、連続優勝にまた一歩近づいている。
現地取材・文●内田暁
【動画】ルバキナが全豪以来の試合でワン・シンユに勝利したカタールOP2回戦ハイライト
【関連記事】セレナら名手でも届かなかった“全豪V直後のツアー優勝”なるか。ルバキナがドーハ大会へ意気込み「一日一日、地道に前に進む」<SMASH>
【関連記事】ルバキナが崖っぷちから怒涛の逆転で全豪制覇! 四大大会2勝目に「今は言葉を見つけるのが難しい」<SMASH>

