
ブンデス4度制覇のドイツ古豪が降格の危機…日本代表入り期待の21歳が指揮官解任に吐露した思い「こういう形で送り出してしまったのは悲しい」【現地発】
ブンデスリーガ制覇4度、DFBカップ優勝6度。光の歴史を持つ古豪ブレーメンがいま、残留争いの渦中にいる。21節終了時で、2部3位と入れ替え戦に臨まなければならない16位。11月7日、10節のヴォルフスブルク戦以来12試合連続で勝ち星がない。
第21節のフライブルク戦を0-1で落としたあと、チームもファンもなかなか改善されない状況に重苦しい空気が漂っていた。この試合はフライブルクが52分に退場者を出したので、40分近く数的有利な状況。それでもなかなかチャンスが作れず、逆にカウンターから失点になりそうなピンチもあった。ファンのフラストレーションも思わず爆発してしまう。
アカデミーからトップチームへと昇格し、このエンブレムを背負い続けてきたミオ・バックハウス(日本名:長田澪)は、「怒る気持ちは分かります」と理解を示し、現実から目を背けなかった。
「フィフティ・フィフティの局面も含めて、少しずつ噛み合っていない。ただ、こういう試合を勝たないと、このリーグでは上にいけない」
失点場面も冷静に振り返る。人数は足りていたはずなのに、競り合いで後手に回り、最後はフリーで打たせてしまった。勝てていないと、勝負どころの判断がうまくかみ合わないことがある。だがそれを言い訳にする訳にはいかない。日本代表入りが期待されている21歳の守護神はそこを指摘した。
「気持ちの問題ではない。一つひとつの小さな判断が勝敗につながっている」
前節後にはホルスト・シュテファン監督の解任も決まった。長田にとっては自分を正GKに指名してくれた監督だった。
「本当にいい監督だった」と振り返り、「監督一人の責任ではない。選手がいい仕事をできていなかったということだから。こういう形で送り出してしまったのは悲しい」と、思いを口にした。
クラブを知る者としての自責がにじむ。そしてだからこそやらなければならないことも理解している。
「チームとしては一丸になっていると思います。10月、11月よりも団結している感覚はあります。みんなで『ここから抜け出そう』という気持ちは共有できています」
混戦の残留争いで必要なものは何か。
「勝点です。それだけです。言われても言われなくても、僕らはやるしかない」
簡潔に明確に。その言葉には決意が感じられた。
「もっと試合を勝ちにつなげられるキーパーになりたい」
そう語る長田の覚悟は揺らがない。緑と白の誇りを守るために、守護神としてまず一つの勝利を求めている。
取材・文●中野吉之伴
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