現地2月14日に行なわれたミラノ・コルティナ五輪のアルペンスキー男子大回転で、ブラジルのルカス・ピニェイロ・ブローテンが冬季五輪ブラジル史上初、南米勢史上初の金メダルを獲得した。
ブラジル紙『O Globo』は、「金メダル! ルカス・ピニェイロ・ブローテンが冬季五輪の大回転で前例のない快挙を成し遂げた。冬季五輪102年の歴史のなかで、ブラジル史上初の金メダルであり、ラテンアメリカの国にとって初の勝利となった」と大々的に報じた。
競技後、ブローテンは感情的なコメントを残した。
「説明できない。いまの気持ちをどう言葉にすればいいのか、まったく分からない。ただ、この気持ちを伝えたかった。僕を応援してくる皆さん、とくに新しい世代の子どもたちへのインスピレーションになると思う。どこにいても、どんな服を着ていても、どんな肌の色でも関係ない。夢は自分で追いかけるもの。大切なのは(胸を指さして)このなかに何があるかだ。きょう、ここにいる僕の心は、この国旗、ブラジルで満たされている。金メダルブラジルのものだ」
偉業を成し遂げた25歳。ノルウェー人の父とブラジル人の母の間にオスロで生まれ、3歳の時に両親が離婚。母とともにブラジル・カンピナス市に移住した。幼少期はサッカーに勤しみ、アイドルはロナウジーニョだった。モットーは、その元ブラジル代表10番が体現していた「ジョガ・ボニート(美しいプレー)」。サッカー選手として成功する夢を見ていた。
転機は9歳の時だった。父の勧めでノルウェーにわたりスキーに挑戦。目標はいつしか世界一のスキーヤーになることになっていた。スキーヤーのキャリアが遅かったにもかかわらず、頭角を現わしていった。2019年のジュニア世界選手権では複合で銅メダル、スーパー大回転で銀メダルを獲得するなど、目覚ましい活躍を見せた。
シニア選手として活躍していた23年。突然、引退を発表した。ノルウェースキー連盟とサポート体制を巡る対立が原因だった。その後、ブラジルスノースポーツ連盟の熱烈なラブコールを受ける形で競技国籍を変更し、ブラジル代表選手となった。
迎えたミラノ・コルティナ大会。決勝の1本目で1分13秒92のタイムでトップに立つと、2本目は全体11位の1分11秒8だったが、総合記録で首位を守って金メダルに輝いた。ブローテン16日に行なわれる回転にも出場する予定だ。2つ目の栄冠を母国にもたらせるか。
構成●THE DIGEST編集部
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