現地2月15日、英紙『The Guardian』は、スキーの聖地で誕生した新たな伝説を報じた。ミラノ・コルティナ五輪の女子大回転で頂点に立ったのは、地元イタリアが誇る35歳の女王、フェデリカ・ブリニョネだ。スーパー大回転に続く今大会2つ目の金メダル、通算5つ目の五輪メダル獲得。イタリア人スキーヤーとして歴代最多となる金字塔を打ち立てた。
ゴール地点では、象徴的なシーンが生まれた。同着2位となったサラ・ヘクトル(スウェーデン)とテアルイセ・シェールスネン(ノルウェー)が、ブリニョネを称えるために膝をつき、日本式の「土下座」を思わせる姿で頭を下げた。2位と15位までがわずか0.65秒という大接戦の中、ブリニョネだけが2位に0.62秒差の大差をつける別次元の滑りを披露。コース「オリンピア・デレ・トファーネ」で見せた稀に見る高速かつ美しいパフォーマンスに対し、ライバルたちは最大級の敬意を表した。
奇跡に近い勝利だった。2025年4月の大会で転倒して左膝を4箇所骨折、前十字靭帯断裂と重症を負った。歩行すら危ぶまれていたなか3度の手術を経て、関節にネジやプレートを埋め込んで、7か月に及ぶ壮絶なリハビリを完遂。「ただアスリートとしてここに戻ってこれたのが、私にとってひとつの達成だった」と五輪までの経緯を振り返った。
「フィニッシュの瞬間、勝ったかどうか分からなかった。でも観衆の大声援を聞いて、もしかしたら勝ったかもしれないと思った。振り返ってスコアボードを見たら1位だった」とブリニョネは回顧。同紙は「彼女だけがその地鳴りを聞いたわけではない。フィニッシュラインのグランドスタンドは歓喜に沸くイタリアのファンで沸き立ち、その大歓声は谷の向こう側まで響き渡ったに違いない」と歓喜の瞬間を描写した。
大回転での2018年平昌大会の銅、22年北京大会の銀を経て、ついに母国で最も輝く色を手にした。
構成●THE DIGEST編集部
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