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「もう限界だ…」二度の退場で誹謗中傷、休養を経験したバルサDF。心を打ち砕いたのは“敵将の言葉”だった「魂を傷つけられるような出来事」【現地発】

「もう限界だ…」二度の退場で誹謗中傷、休養を経験したバルサDF。心を打ち砕いたのは“敵将の言葉”だった「魂を傷つけられるような出来事」【現地発】


 最初の反応は、「盗まれた(不当だ)」と感じた時に人がよくやる、手首を振るジェスチャーだった。その後、他に選択肢はなく、ロッカールームへと続く道を進むしかなかった。だが、本当の地獄はピッチの上にあったのではなかった。スマートフォンに目を向けた瞬間、容赦ない批判が自分を標的にしていることを知った。

 2024年4月16日、モンジュイックで行われたパリ・サンジェルマン(PSG)とのチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝セカンドレグ。ロナルド・アラウホは退場処分を受けた。そのレッドカードは、当時シャビが率いていたチームを敗退へと追い込む決定打となり(バルサが1-4で敗戦、アグリゲートスコア4-6で敗退)、同時に、ウルグアイ人DFを襲う不安障害、そして後に鬱へと変わることになる苦しみの引き金となった。

 そして、去る11月25日のCLリーグフェーズ第5節、チェルシー戦(0-3)。再び退場を宣告された際、アラウホはついに「もう限界だ」と声を上げた。「自分が自分でない感覚だった。助けが必要だった」と、彼は『ムンド・デポルティーボ』紙に対し、その心境を語っている。
 
 ロンドンからバルセロナへ戻った後、アラウホはSD(スポーツディレクター)のデコのオフィスを訪れた。SNSの誹謗中傷は彼個人に留まらず、家族にまで及んでいた。彼は「娘たちの死を願う言葉まで送られてきた」と振り返る。デコ、ハンジ・フリック監督、ジョアン・ラポルタ会長は協議の末、彼を休養させる決断を下した。「フットボール選手である前に、一人の人間であることを理解しなければならない」との考えからだ。

 アラウホの心をさらに打ち砕いたのは、ルイス・エンリケのドキュメンタリー番組だった。その中でPSGの指揮官は、バルサ戦に向けたミーティングにおいて「アラウホはトップクラスの選手だが、ビルドアップに最も難がある。彼がボールを持てばパスコースを遮断できる。そこが狙い目だ」とスタッフに指示していた。
 
 この戦術的な公開処刑とも言える映像が拡散されたことが、彼を深く傷つけた。「ロナルドは、あんなことを言われても、ずっと心の奥に溜め込んでいたんだ。あれは魂を傷つけられるような出来事だった。あのルイス・エンリケの映像がネットで一気に拡散してしまったからね…」とチームメイトの1人は語る。

 しかし、フリックはエンリケとは意見を異にしている。ドイツ人指揮官は言う。

「我々指導者には、自チームの選手だけでなく、すべての選手に対する責任がある。我々は、できる限りのあらゆる手段で彼をサポートしてきた。あのように自分の心を開くということは、彼自身が強い人間であるという証拠だ。もちろんフットボールにおいて、メンタリティや、勝利にフォーカスすることが非常に重要だ。しかし、それ以上に選手たちをケアすることは不可欠なのだ。我々は彼らのことを第一に考えなければならない。自分にとって何が良いか、という利己的な視点を超えて、選手という1人の人間に思いを馳せるべきなのだ」
 
 フリックは、自身の感情を押し殺すようなタイプではないが、発する言葉の重みを慎重に推し量る術を知っている。彼は一度もルイス・エンリケの名を口にすることはなかったが、その必要もなかった。アラウホは、そんな指揮官に感謝の言葉を捧げている。

「ハンジは、僕たちにとって父親のような存在なんだ」

文●ファン・I・イリゴジェン(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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