アメリカの野球分析サイト「Baseball Prospectus」が早くも、今シーズンの順位予想を掲載した。大谷翔平のドジャースは今季104勝、98.1%という驚異的な確率で「地区優勝を果たす」としている。同じナ・リーグ西地区の展望ではパドレス、ジャイアンツ、ダイヤモンドバックスの3球団も「80勝前後を挙げる」とし、「ワイルドカードによるポストシーズンマッチ進出を争う」との見解を示している。
ここで忘れてはならないのが、菅野智之が加入したロッキーズだ。同サイトでは順位予想すらしてもらえなかったのか、展望の記事コーナーにはロッキーズの「ロの字」もなかった。
「WBCで菅野が好投し、存在感を見せなければなりません」(現地記者)
昨シーズンは30球団ワーストの43勝119敗、4年連続の地区最下位だった。WBCには菅野のほかにマイケル・ロレンゼン、ホセ・キンタナの先発投手を供出している。
「菅野、ロレンゼン、キンタナがWBCで負う疲労を解消できず、開幕3連戦に投げられない可能性が指摘されています」(前出・現地記者)
ロッキーズはマーリンズとの3連戦でペナントレースをスタートさせる。代理の先発投手が炎上し、菅野は第2節のブルージェイズ戦のマウンドに上がることになるかもしれない。
もっとも、3投手のWBC派遣による代償は、ロッキーズのポール・デポデスタ編成本部長も認めていた。彼の名前は覚えておいた方がよさそうだ。
「ロッキーズよりも、デポデスタ編成本部長の真価が問われるシーズンになりそうです。デポデスタ本部長は映画『マネーボール』で有名になった、アスレチックスのビリー・ビーン氏の右腕でした。以後、ドジャースなどでチーム強化に関わりましたが結果を出せず、昨年はNFLチームの編成をやっていました」(アメリカ特派記者)
デポデスタ編成本部長がメジャーリーグに帰還し、「自信作」と言い切った補強が、菅野の獲得だった。「マネーボール」で鍛えられた独自のデータ解析によれば、菅野の耐久力と豊富な球種、ゴロアウト率の高さが獲得の決め手になったという。
だが残念ながら、デポデスタ編成本部長のやり方に半信半疑な関係者は少なくない。菅野はWBC、ペナントレースで結果を出さなければ、ドジャースの勝利数は「104」では済まないだろう。ひと泡吹かせることができれば、映画化の話が舞い込みそうだが。
(飯山満/スポーツライター)

