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「負けないと思っていた」フォーエバーヤング、史上初のサウジC連覇 タフな強さに英メディア感服「完璧なレースだ」

「負けないと思っていた」フォーエバーヤング、史上初のサウジC連覇 タフな強さに英メディア感服「完璧なレースだ」

日本時間の2月14日、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で7回目のサウジカップデーが開催された。1着賞金1000万米ドル(約15億5000万円)と、世界最高賞金レースとして名高いメインレースのサウジカップ(G1、ダート1800m)は昨年に続いて日本馬のフォーエバーヤング(牡5歳/栗東・矢作芳人厩舎)が本レース史上初となる2連覇を果たした。

 昨秋はダートの本場、米国の最高峰であるブリーダーズカップ・クラシック(G1)を制し、JRA賞年度代表馬になったほか、米国のJRA賞にあたるエクリプス賞で最優秀古馬牡馬に選出された日本のエースの力は微塵も揺るがなかった。

 昨年の本レースの注目点は、何と言っても初めてダートに参戦する香港の絶対王者ロマンチックウォリアー(せん8歳/D.シャム厩舎)との対決だった。結果、レースは日本のエースと香港の王者の一騎打ちとなり、いったんはロマンチックウォリアーに交わされたフォーエバーヤングが差し返すという劇的な勝利を収めた。その鮮烈な走りは、まだファンの記憶に新しいだろう。
  今年フォーエバーヤングに挑戦状を叩きつけたのは、本場・米国から参戦してき強豪たち。なかでも注目されたのは名伯楽として知られるボブ・バファアート調教師が管理する2頭だ。

 まず、昨秋のブリーダーズカップ・ダートマイルでG1初制覇を成し遂げたナイソス(牡5歳)。前走ラフィットLピンカイJr.ステークス(G2)も際どく制して、これで4連勝と波に乗っている1頭だ。そしてもう1頭は、昨秋のグッドウッドステークスでG1ホースの仲間入りを果たしたネバダビーチ(牡4歳)。その後、ブリーダーズカップ・クラシックはフォーエバーヤングの7着に敗れているが、その後のラフィットピンカイJr.ステークスはナイソスのアタマ差2着と好レースを見せた。

 そして日本からはフォーエバーヤングのほかに、昨年のフェブラリーステークス(GⅠ)で2着したサンライズジパング(牡5歳/栗東・前川恭子厩舎)、ジャパンダートクラシック(JpnⅠ)3着の実績を持つルクソールカフェ(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)もゲートインを果たした。 レースはアメリカンスタイル、つまり先行してさらに二の脚、三の脚を使えたものが勝利を手に入れる持久戦の様相を呈した。6番枠から五分五分のスタートを切ったフォーエバーヤングは、インに寄せながら他馬の出方をうかがう。先行集団にはナイソス、タンバランバ(せん6歳/カタール/H.アルジェハニ厩舎)などが並ぶが、それを抑えてバニシング(せん6歳/米国/D.ジェイコブソン厩舎)が先手をとった。

 淀みないペースで進んだレースに動きが出たのは直線の入り口だった。逃げるバニシングの内にできた1頭分のスペースに坂井瑠星騎手は迷いなくフォーエバーヤングを突っ込ませて先頭に躍り出ると、やや外を回したナイソスがそれを追尾。2頭が後続を突き放して激烈な追い比べが展開され、ナイソスもドミニク・ブフ騎手の叱咤に応えて喰い付こうとしたが、フォーエバーヤングはそれを許さず、1馬身の差を保ったままV2のゴールへ飛び込んだ。迫られても抜かせないフォーエバーヤングのタフさとスピードの持続力は素晴らしいのひと言。また、勝負どころになったスペースが開いた一瞬における坂井騎手の強気で的確な判断が勝負を分けた一戦でもあった。

 堂々と愛馬を勝利へ導いた坂井騎手は、「負けないと思っていましたし、自信をもって馬を信じて乗っていました。あまり揉まれると嫌だなと思っていて、少し嫌な形になりましたが、大丈夫だろうと思っていました。(ゴールした時には)やはりすごい馬だなと感じました。どんな形でも勝つのは凄いですし、史上初の連覇ということで、無事に勝てて良かったです」と大役を果たしたレース内容を冷静に振り返った。
  英国の競馬メディア『レーシングポスト』は、ナイソスを送り込んだボブ・バファート調教師の、「フォーエバーヤングは完璧なレースをして、進路が開いた瞬間に『やられた(Oh man)』と思った」とのコメントを紹介。欧米の各メディアもフォーエバーヤングのタフな強さ、矢作芳人調教師を長いスパンにわたって活躍させ続けている点、坂井瑠星騎手の隙の無い騎乗を、それぞれ称賛した。

 レース後、矢作調教師は「状態としては100%には至っていないと感じていましたが、メンバー的には力は上位だと思っていました。道中も完全な走りではなかったかもしれませんが、直線に向いてからはやってくれると確信しました」とコメント。そして、転戦予定の次走、ドバイワールドカップ(GⅠ)については、「さらに上積みがあると思います」と、昨年3着のリベンジを誓った。

 ちなみに、この勝利でフォーエバーヤングが獲得した総賞金は45億円を突破。もちろんこれは日本馬の歴代最高獲得賞金で、もし次のドバイワールドカップを制すればさらに696万米ドル(約11億円)を上乗せし、56億円を超えることになる。引退後の種牡馬価値まで考慮に入れると、気が遠くなるような数字である。

 なお、他に出走したルクソールカフェは5着、サンライズジパングは6着にそれぞれ健闘した。

文●三好達彦

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配信元: THE DIGEST

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