ミラノ・コルティナ冬季五輪の13日目(2月18日)、スノーボードの女子スロープスタイル決勝で深田茉莉が金メダル、村瀬心椛が銅メダルを獲得した。男子スロープスタイルでも長谷川帝勝が銀メダルに輝き、これでスノーボードでの獲得メダルは金4個、銀2個、銅3個の計9個。日本選手団の獲得メダル数は全部で22個となり、会場に行けば必ずと言っていいほど「君が代」が流れ、表彰台には日の丸が躍る。そんな状況が、連日のように続いている。
一方、4年前の熱狂とはほど遠い、お寒い現状が続いているのが中国だ。中国勢は大会13日目にしてようやく、スノーボードの蘇翊鳴が、大会第1号の金メダルを獲得。フリースタイルスキー女子エアリアル決勝で、徐夢桃が第2号の金メダルを獲得したものの、
「中国は前回の2022年北京五輪で、冬季としては史上最多の金メダル9個を獲得しただけに、SNS『微博(ウェイボ)』には、低迷を嘆く投稿が次々と…。そんな中での金メダル獲得には安堵の声が広がっていますが、今大会の参加選手数は前回より50人も少ない126人。冬季スポーツ大国を自称する中国の、あまりにも早い衰退ぶりとに、国内では重苦しい空気が流れています」(スポーツ紙記者)
なぜ中国は、ここまで急失速したのか。その理由を、中国のスポーツ事情に詳しいジャーナリストが分析する。
「北京五輪までの中国は、国家の威信をかけて天文学的な予算を投じ、海外からの一流コーチ招聘はもちろん、谷愛凌のような帰化選手をかき集める、文字通り『挙国体制』の極みで臨んでいました。しかし悲しいかな、自国開催というお祭りが終わった途端、政府の関心も予算も一気に冷え込んでしまい、あとに続くべき自国の若手層はスカスカ状態になってしまった。それが、今大会における、少ない選手団の数に現れているというわけです」
前回の北京大会でメダルを量産した帰化選手の多くは、アメリカの高度な練習環境やアカデミーで育った、いわば「輸入品」だ。中国政府は彼らを「爆買い」することで、手っ取り早く開催国のメンツを保つことに成功。しかしその陰で、国内の地道な育成現場は放置され、今大会でも帰化選手頼みとなった。だが、それももはや、限界だったのである。
「さらに追い打ちをかけたのが、国内の深刻な景気問題です。悪化し続ける経済状況で、今の中国には冬季スポーツに湯水のように金を注ぎ込む余裕はありません。となれば真っ先に削られるのは、マイナーな冬季競技。北京大会で短期的な栄光を金で買った代償が、ミラノでの惨敗という形で突きつけられたということです」(前出・ジャーナリスト)
なるほど、大会中盤までのノーゴールドという惨状を生み出した背景には、北京大会の遺産を食い潰して焦土と化した現状があったようだ。
(灯倫太郎)

