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いよいよ合宿は第3クールへ。投手陣だけでなく、打線もギアを上げていく!【侍ジャパン合宿レポート:5日目】

いよいよ合宿は第3クールへ。投手陣だけでなく、打線もギアを上げていく!【侍ジャパン合宿レポート:5日目】

侍ジャパンの宮崎合宿は5日目を終え、2度目の休日に入る。最終クールでは初の対外試合を2回実施する予定で、この休日をひと区切りに、チームは一気にエンジンの回転数を上げていく。

「まだメンバーが揃っていないんでね、今はいろんな人の手を借りてやりながらそこに向かっているという感じじゃないですか」

そう話したのはヘッドコーチを務める金子誠だった。これまでにも代表チームのコーチを歴任してきたが、WBCは初めて。「今までの大会とは空気が違うなと感じている」と、ことの大きさ、プレッシャーを感じていると語る。

「明日か、明後日くらいになるかな」

 そんな金子ヘッドが話したのは、バッティングに関する次なる試みだ。

 侍ジャパンの合宿は、全日程の半分ほどが投手陣が話題の中心になる。選りすぐりのメンバーが続々とプルペンに入り、指揮官が状態を確認する。その様子を見たメディアは起用法やそれぞれの立ち位置などを想像する。ダルビッシュ有(パドレス)の存在の大きさもあってか、今回も前半の話題の中心は投手だった。しかし、投だけが世界一のカギになるわけではなく、バッティングの充実も優勝に直結する。しかし、侍ジャパンの合宿は日程が長い割に実践の機会が少ない。
  投手はライブBPなどで調子を上げていくことができるが、攻撃陣はなかなか難しい。5日目は近藤健介、周東佑京(ともにソフトバンク)、森下翔太(阪神)ら野手がブルペンに入り、投手の生のボールを見るなどの調整を続けていた。大会に向けて試行錯誤しながら備えている。

 もっとも代表選手たちは実せんの少なさは意に介さない。

 前回大会に続いての出場になる近藤はいう。

「日程についてほんと決められてるんで、やることは変わらないですね。それでやらないといけないので、別に何とも思ってないですね」

 端から見ていると、練習で繰り返し身体に覚えさせてきたスキルを実戦で試すことができないというのは、先が見えない戦いだろうと想像する。だが、日本トップクラスの打者たちはそこに順応してみせる。
  合宿4日目のライブBPで2四球を選びつつも、「北山(亘基/日本ハム)のストレートに手を出せなかった」と悔しがった牧秀悟(DeNA)も同じように話す。

「実戦は少ない中ですけど、ライブBPがある日は打席に立って色んな人の球を見て自分の打席の感覚を養っていくのも大事です。でもここに集まってる人は大体そういうのができてる人だと思うので、自分の感覚を大事に練習をやるのが一番かなと思ってます」

 もっとも今大会は本番への調整という部分だけではなく、もう一つの難題がある。それはピッチクロックとの戦いだ。これまでは投手陣がどういうふうにピッチクロックやピッチコムに慣れるかだったが、これにはバッティングも影響する。

 金子ヘッドは話す。

「実際、昨日のライブBPはピッチクロックの時間を流したんですけど、それは初めて打つの選手のためにでもあります。違和感はみんな持つんでね。昨年秋に経験しているのに理解していないバッターもいるし、そういうのもひっくるめて、取り組む必要があるのかなと。助言をもらうのもいいのかなと思っています」

 金子は続ける。

「ダルビッシュがこれまでも野手の方に対して、いろんなレクチャーしてくれているのでそれはありがたい。そして本人からも何か質問はないですかと言ってくれているので、せっかくの機会だから時間を取ろうって話になってます。次は野手の練習の方にも入ってもらおうかなと」。
  いわば、実戦を前にして野手陣にもダルビッシュからの助言が入り、ここから一気に状態を上げて行こうという算段なのだ。本番は全員が揃ってからになるが、「我々には今は学習の期間でもある」と金子が話したように、できる最大限の準備をしていくというのがこの合宿の意義とも言えるだろう。

 休日前の個別練習で100本以上のロングティーを放ち、50本もスタンドインさせた牧原大成(ソフトバンク)は今後に向けてこう意気込んだ。

「ロングティーは飛ばす力と振る力もつけたいんでやりました。数を多くしたのは従来のホークスでのキャンプより練習量が落ちているんで、やれる時にやっておきたいなという感じです。これだけの練習をやっておけばあとは目が慣れるのかとかそういったところだけだと思う。次のクールではホークス戦も入ってくるので、そこで感覚を養っていくしかないですね」

 投打が噛み合うための大切な準備期間。ここから攻撃陣が話題の中心になり、チームはメジャー勢の合流を待つことになる。

文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。

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配信元: THE DIGEST

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