26歳を迎える今季限りでの現役引退を表明したオーストラリア人女子テニス選手のデスタニー・アイアバ(現世界ランキング320位)が、2月14日に更新した公式インスタグラム(@desaiava)で自身を誹謗中傷してきた人々を痛烈に批判したことについて、海外メディア『CLAY』と『RG Media』のインタビューでその真意を語った。
2017年に世界ランキングでキャリアハイの147位を記録したアイアバは、既報の通り同投稿で自身の礎にもなったテニスを「有害なボーイフレンド」と表現しつつ、次のように綴っていた。
「これまで私を取るに足らない存在のように感じさせてきたテニス界の全ての人たちに心の底から“くたばれ”と言いたいし、SNSで私の身体やキャリアについて好き勝手にあら探しをする人たち、そして紳士的な価値観を持つとされているこのスポーツにも“くたばれ”と言いたいです。
例えば白いウェアを着用することを強制する伝統の裏には、人種差別的かつ女性蔑視的、さらには同性愛嫌悪的で、型にはまらない人間に対する敵対的な文化も存在します。引退への怖さはありますが、自分に合わない人生を送ったり、絶え間ない比較の中で自分を見失ったりするよりはマシだと思います」
また今回のインタビューでもアイアバは競技人生での苦悩をこう語っている。
「白人が大多数を占めるこのスポーツで有色人種の女性として戦うことは、最初から大きな苦闘でした。自分の肌の色のせいで、“自分がこのスポーツに属している”と感じられたことは1度もありません。それが現実なのです。
たとえ女性でなかったとしても、褐色人種やアジア系、黒人であればやはり厳しい状況に立たされていたと思います。オンライン上での誹謗中傷や、試合中に観客からやじを飛ばされることなど、そうした出来事の積み重ねが引退の決断につながりました」
そしてアイアバは上記投稿の真意について、「自分のためだけではなく、同じような経験をしてきた人々のためにも声を上げたかった」と明かした。
「ネット上で『太っている』とか『男みたいだ』といった心無い言葉を受けたことがあります。同性愛者のテニス選手がどのように扱われているかを見ても、彼らのために声を上げることは私にとって非常に重要なことです。それは実際に私が、テニス界で彼らがどのように扱われてきたかを、間近で見てきたからです」
波紋を広げた引退表明はテニス界でも大きな反響を呼んでおり、開催中の女子ツアー公式戦「ドバイ選手権」(WTA1000)に出場している世界6位のアマンダ・アニシモワ(アメリカ)も大会期間中のメディア対応で「私は彼女の詳しい事情は知りませんが、彼女がそういう経験をしたのであれば、胸が痛みます」と同情を寄せていた。
なお、アイアバはキャリア最後になる出場大会について、現時点では明らかにしていない。
文●中村光佑
【画像】アイアバが今季限りでの現役引退を報告したインスタ投稿
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