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【北中米W杯出場国紹介|第18回:イラン】初の決勝ラウンド進出のビッグチャンス。ネックはメインの開催国がアメリカであること

【北中米W杯出場国紹介|第18回:イラン】初の決勝ラウンド進出のビッグチャンス。ネックはメインの開催国がアメリカであること


 北中米W杯で、4大会連続7度目の出場となるイランにとって、今大会は初めて決勝ラウンドに進出するビッグチャンスと言える。

 これまですべてグループステージで敗退しているが、その戦いぶりは毎回のように称賛されており、特に2018年のロシアW杯はイランの健闘が目立った大会として記憶される。

 初戦でモロッコに1-0で勝利すると、スペインを相手に接戦を演じて0-1の敗戦。第3戦はポルトガルと1-1で引き分け。勝点4を獲得したが、グループ3位で惜しくも敗退した。もし今大会であれば、3位の上位でラウンド32に進める成績だ。

 前回カタールW杯では初戦でイングランドに2-6で敗れたが、ガレス・ベイルなどタレントを擁するウェールズに2-0で勝利。突破の可能性を残してアメリカ戦に臨んだが、0-1で敗戦して大会を終えた。

 今回はG組でベルギー、エジプト、ニュージーランドと対戦する。現在のチーム力やこれまでの相手関係から考えても、十分に突破が期待できるだろう。

 北中米W杯のアジア最終予選で、イランはウズベキスタン、UAE、カタールなどと同組になったが、安定したゲーム運びで首位を走り、2試合を残して本大会行きを決めた。2023年からチームを率いるアミル・ガレノイー監督は、過去2大会に出場しているメフディ・タレミ(オリンピアコス)やサルダル・アズムン(シャバブ・アル・アハリ)など、経験ある選手たちを中軸に据えながら、24歳の大型ボランチのモハメド・ゴルバニ(アル・ワフダ)や突破力のあるサイドアタッカーのアミロホセイン・ホセインザデー(トラークトゥール)などフレッシュな戦力を組み込んでいる。
 
 しかしながら、やはり全体的に平均年齢が高く、世代交代がうまく進んでいない事実は否めない。ファーストセットと考えられる選手たちは軒並み30歳前後で、体力の消耗が激しい夏場の大会を考えても不安要素と見られる。

 そんなメンバー構成の中で、希望の星は22歳のセンターバックであるモハマダミン・ハズバビ(セパハン)と右サイドバックのアルヤ・ユーセフィ(セパハン)だ。彼らがチームでより重要な戦力になってくることに加えて、近未来のスーパータレントとして期待される22歳のMFモハマド・ジャヴァド・ホセインネジャド(ディナモ・マハチカラ)あたりが、ここからグッと突き上げてくれば楽しみだ。

 基本布陣は4-1-3-2で、オプションとしてイランの伝統的なシステムである4-1-4-1も使える。サイード・エザトラヒ(シャバブ・アル・アハリ)が支える中盤のバランスは相手や状況に応じて、攻撃的にも守備的にもシフトできる。

 2トップはタレミとアズムンがメインと考えられるが、アリ・アリプール(ペルセポリス)も頼りになる存在だ。ホセインザデーやモハメド・モヘビ(ロストフ)がサイドから幅広く攻撃に関わるが、生命線となるのは左サイドバックのミラド・モハマディ(ペルセポリス)や右のダニエル・エスマエイリファル(トラークトゥール)による攻め上がりだ。
 
 守備はアジア最終予選やその後の親善試合だと、激しいプレスをかける守備が目を引くが、本大会でも格上となるベルギーが相手となれば、ブロックを固めた粘り強い守備から、ロングボールでアタッカーを縦に走らせるような戦い方も想定される。

 もちろん、前にパワーをかけられる時間帯では、相手がベルギーだろうとエジプトだろうと、勇敢に出ていく姿勢が見られるはず。特定の戦い方に固執しないのが、世界の舞台でイランが善戦できている理由でもあり、そこはガレノイー監督も踏襲しそうだ。

 イランにとってネックはメインの開催国がアメリカであること。しかも、グループステージの3試合はすべてアメリカが会場となる。スポーツと政治は別という理念はともかく、実際は国際情勢に影響されてしまう側面もある。
 
 2025年の夏に、アメリカで開催されたクラブワールドカップでは、当時インテルに所属していたタレミが、オフを家族と過ごすためイランに帰国していた。ちょうど、そのタイミングでイスラエルとの武力紛争が強まったことにより、アメリカへの渡航ができなかった。

 ワシントンD.C.で行なわれた今大会の抽選会でも、一時イランがボイコットを表明。結局ガレノイー監督らが出席して事なきを得た。

 イランの立場からも、アメリカの立場からも、色々な考え方があるだろう。そこの是非をここで語るつもりはないが、スポーツ的な観点で見れば、まずはチーム関係者や監督、スタッフが無事に入国し、開幕を迎えられることを願うばかりだ。

文●河治良幸

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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