
右SBに熱中。関根貴大は攻撃面のアクセントに興味なし「もう最近は守備で何ができたのかしか見ていない」【浦和】
J1百年構想リーグで優勝、そしてアジア・チャンピオンズリーグエリート(ACLE)の出場権を本気で狙っている浦和レッズ。2025年のJ1ではわずか3勝しかできなかった苦手なアウェーでの3連戦から今季がスタートし、開幕戦でジェフユナイテッド千葉に2-0で勝利して、FC東京には1-1で迎えたPK戦は3-5で落とした。勝点は4だが、2試合続けて得点しており、悪くない出だしを見せたと言っていい。
迎えた2月21日の3戦目の相手は横浜F・マリノス。昨年10月に同じ日産スタジアムで0-4の大敗を喫したことは、浦和にとって記憶に新しいところ。チーム全体がリベンジに燃えていたはずだ。
右SBで先発した関根貴大も、4か月前に苦い経験をした1人。当時はキャプテンとして右SBの位置から活力を与えようとしていたが、まったく思い通りにいかなかった。
ゆえに、今回こそは手堅い守備で敵を跳ね返し、得点につながるプレーを見せなければならない。関根は気合を入れてピッチに立ち、飽くなき闘争心が55分の先制点という形で結実したのだ。
このシーンは、柴戸海が中盤でボールをカットしたところが始まりだった。渡邊凌磨が持ち上がり、肥田野蓮治を経て、左のマテウス・サヴィオ、荻原拓也へと渡った。そこからいったん中央の肥田野にパスが入り、彼が中央で敵を引き付けて、荻原に戻した。
次の瞬間、関根は一目散にゴール前へ侵入。荻原のクロスに反応し、強烈なヘッドを放つ。これはGK木村凌也に防がれたものの、こぼれ球を右足で押し込み、昨年7月の湘南ベルマーレ戦以来の得点を挙げたのである。
「左サイド(の荻原)の時間の使い方が違いましたね。ちょっと時間をタメてくれたから、自分が入るタイミングを作れたし、相手のファーサイドは狙いどころだという分析もあったので、思い切り入っていきました」と背番号14は、してやったりの表情を浮かべた。
これで浦和は1点をリード。84分には途中出場直後の早川隼平がダメ押しとなる2点目をゲット。4か月前に屈辱を味わった宿敵を2-0で見事に撃破した。先制ゴールを叩き出した関根の貢献度は絶大だったが、本人は自身のパフォーマンスにあまり満足していない様子だった。
「サイドバックに何が求められるかを昨年考えた時、守備でしかなかった。だから自分の中では今日のパフォーマンスはあんまり良くなかった。前半には一発で背後を取られてしまったシーンがあったし、後半にも3人目の動きで抜け出されたシーンがあった。ああいうところをいかになくせるかが、サイドバックの役割なんです。
チームとして『堅い守備をして1点取って勝つ』というのがスタイルになりつつあるので、自分は攻撃面でアクセントを加える必要はない。今は守備にフォーカスしています」と関根は語気を強めたのだ。
本人が言及した通り、対面の加藤蓮に一気に抜け出された25分のピンチなど、守備改善の余地は確かにありそうだ。加藤には自陣深いエリアまで持ち込まれて、ディーン・デイビッドへのクロスを入れられた。
幸いにしてそれが失点につながらなかったが、「1つの対応のミスが命取りになる」と関根は強調。「そこをなくせない限り、サイドバックを続けるのは無理だなと痛感しているので、そこは昨年からすごく意識しています」と厳しい表情を見せたのだ。
高い基準を常に脳裏に焼き付け、向上心を持って取り組んでいるのは良いことだ。昨季は石原広教に定位置を奪われ、本職の2列目でも出場機会が限定的になるなど、本人も不完全燃焼感が非常に強かったはず。だからこそ、百年構想リーグでは右SBとして何としても絶対的地位を確立させたいのだろう。
「今回、マリノス相手に失点ゼロで終われたのは良かったですけど、細かいところは改善しないといけない。失点したら代えられてしまうのがプロの世界。もう最近は攻撃より守備で何ができたのかしか見ていないので、高いレベルでやっていけるようにしたいです」
“右SB”関根の真価が問われるのは、2月28日の次節・鹿島アントラーズ戦だろう。今季ホーム開幕戦で、同じ勝点7で並ぶ2025年J1王者を完封し、白星を手にできれば、浦和のACLE出場へ機運も一気に高まってくる。
鹿島の左サイドにはエウベルや小川諒也といった打開力がある面々がいるし、鈴木優磨も左サイドに流れるケースが多い。関根がキーマンになるのは紛れもない事実。大一番で成功を収めるためにも、ここから1週間で細部を突き詰めていくべきだ。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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