ハンバーガー業界で地殻変動だ。ゼンショーホールディングス傘下で半世紀以上の歴史を持つロッテリアが、3月末で国内全店の営業を終了。社名を「バーガー・ワン」へと改め、店舗ブランドを「ゼッテリア」に統一する。1972年創業の名門が看板を下ろす決断は、業界内外に衝撃を与えている。
会見で社長は「ナンバーワンを目指す」と力強く宣言。だが日本の外食市場で王者に君臨するのは、ファミリー層をがっちり掴むマクドナルドだ。店舗数、売り上げ、ブランド力…どれをとっても分厚い壁が立ちはだかる。
そこで浮かび上がるのが、ゼッテリアの「立地戦略」。オフィス街を中心に出店を進め、平日のランチや仕事帰り需要を狙う。
「カフェメニューやスイーツメニューも豊富なので、出勤前や仕事帰りに、会社の最寄り駅近くにある店舗をよく利用しています。ファミリー層が少ないから、軽い作業をしたい時に向いていると感じます」(30代の会社員)
店内は落ち着いた雰囲気で、一部店舗ではコンセントやWi-Fiを完備。コーヒー片手にノートPCを広げる姿は珍しくないという。
つまりマクドナルドのようにファミリー層と真正面からぶつかるのではなく、「働く大人が日常的に使う店」としてのポジションを築こうとしているわけだ。親会社のゼンショーホールディングスは、食材の一括仕入れや効率的な店舗運営でコストを抑える経営手法を得意としてきた。
その強みをハンバーガー事業にも生かし、手頃な価格と使い勝手の良さを両立できれば、十分に勝機はある。ロッテリアの看板を外してまで挑む新路線。その覚悟が実を結ぶかどうかが、今後の焦点になりそうだ。
(カワノアユミ)

