
岡山が勝てない。先制しても勝てない。佐藤龍之介のようなチームを飛躍させる“翼”の羽ばたきが欲しい
岡山が勝てないでいる。
アウェーで戦った開幕2試合は先制するも追い付かれ、PK戦で敗れた。そして3試合目、今年も満員になったホームスタジアムにG大阪を迎えた一戦は、先制に成功した後も攻勢を続け、間隙を突かれて同点に追い付かれた後はパワーアップでゴールへ迫ったが、決勝点はG大阪に奪われ1-2の逆転負けを喫した。
「一言で言うと、非常に悔しさが募る。勝点を取るべき内容だったと思うし、それがゼロポイントになるのは非常に悔しい」(木山隆之監督)。
シュートは岡山が16本でG大阪が7本。もちろん2失点した部分にも反省点はあるが、指揮官だけでなく選手にもファン・サポーターにも募った悔しさは、得点が足りなかったことによって芽生えたものだった。
もっとも、ルカオの強さは今年も健在で、江坂任のクオリティやセンスも素晴らしい。この2人と前線を組んだ新加入の河野孝汰もゴール前で持ち前の得点感覚を見せて決定機を迎え、途中出場した木村太哉は際どいシュートを打ち込んだ。アタッカーはそれぞれの特長を出している。
もちろん、一人ひとりに決定力の向上を求めていきたい。チームとしてチャンスの質を上げるため、コンビネーションも成熟させていきたい。そしてもう一つ、昨年のチームを躍進させた「翼」の羽ばたきも欲しい。自分自身が空高く羽ばたき、チームも引っ張り上げていく力のあった「翼」、FC東京にレンタルバックした佐藤龍之介の大きさを感じざるを得ないというのが、ここまでの率直な印象だ。
ただ、G大阪戦で右翼を担った白井康介も、左翼の山根永遠も、新加入ながらすでにそれぞれの特長を発揮してくれている。
白井は60分にルカオのシュートがバーに弾かれたボールを拾ってシュートチャンスを掴んだ。「一回キックフェイントを入れて完全に逆を突いて枠にも飛んでたんですけど、東口さんのスーパーセーブだった」。39歳のGKに脱帽した31歳のサイドプレーヤーは、何度も深い位置まで進入できていることに手応えを覚えていた。
「もう一つ精度が、っていうところだった。そこまでは持っていけてるんで精度を上げていきたいし、今日は流れから決めれてもおかしくないシーンがいっぱいあった。徐々に良くなっているんで悲観する内容ではないと思う。自分自身も縦への推進力を出しながら、中へ入るプレーも2回ぐらいあった。そこは他の選手にないところだと思いますし、攻守両面においてもっともっと良くなっていくと思う」
山根も木山監督が「良い場所で受けて仕掛けていたし、江坂とのコンビネーションで自分が行くのか、味方を使うのかの判断も良く、アイデアも非常にあった」と称えるプレーを見せており、本人も現状を前向きに捉えて「周りとの連係も試合ごとに良くなってきている。まだまだ良くなるところもたくさんあると思うので、また1週間、良い準備をしたい」と話してスタジアムを後にした。
開幕戦ではCKからゴールを奪った松本昌也も、周囲と連係、連動しながらゴールに向かっていく特長を発揮しているなかで、離脱している末吉塁や本山遥も戻ってきて競争力を高めていけるかも重要になる。
「翼」が飛翔した時、チームも歓喜の瞬間を迎えてステップを昇っていけるに違いない。
取材・文●寺田弘幸
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