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『SHOGUN 将軍』話題の平岳大、“オスカー俳優”ブレンダン・フレイザーの“人間力”に感服「演技を超えているようなところも」

『SHOGUN 将軍』話題の平岳大、“オスカー俳優”ブレンダン・フレイザーの“人間力”に感服「演技を超えているようなところも」

平岳大にインタビューを行った
平岳大にインタビューを行った / 撮影:永田正雄

オスカー俳優のブレンダン・フレイザーが主演、アメリカを拠点に活躍する大阪出身のHIKARI監督の最新作となる「レンタル・ファミリー」が、2月27日(金)に日本で公開される。本作には、「SHOGUN 将軍」(2024年)で存在感を発揮した平岳大が、レンタルファミリー社の社長・多田役で出演している。このほど平がインタビュー取材に応じ、出演への経緯や役作りのアプローチについて、既に公開している海外での反響などを語った。

本作の主人公は、東京で暮らす落ちぶれた俳優・フィリップ(ブレンダン)。日本での生活に居心地の良さを感じながらも、本来の自分自身を見失いかけていた。そんな中、“レンタルファミリー”として他人の人生の中で“仮の”役割を演じる仕事に出合う。想像もしなかった人生の一部を体験し、出会う人々と交流を重ねるフィリップは、少しずつ自らの人生に向き合い、生きる喜びを見いだしていく――というヒューマンドラマとなっている。

■「やっとリアルな日本を描いてくれる監督が出てきたのかなと」

――いよいよ「レンタル・ファミリー」の日本公開が近づいてきました。平さんはレンタルファミリー社の社長役ですね。

ハンガリーで映画を撮っていたときに、「レンタル・ファミリー」の台本を初めて読みました。今のハリウッド映画はビデオによるオーディションが主流。最初の段階では、自分でオーディション用にシーンを撮って送り、次にリモートで監督と2回打ち合わせしました。

他にブレンダンとも1回打ち合わせをしましたから、計4回オーディションを重ねたことになりますね。普段のオーディションは大体2回ぐらいで終わることが多くて、1シーンですと本当にあっけなく済むことがありますが、HIKARI監督は粘り強く、じっくり時間をかけていくタイプ。

1時間半ぐらい1つのシーンに取り組んで、「もう1回やりたい」ということでまた同じシーンを1時間半ぐらいかけて…という感じでした。すごい熱量です。

――かなり慎重に進められた感じなのですね。

映画の撮影には、全員がものすごい集中力で取り組んで「一発OK」みたいなイメージもあると思いますし、確かにそういう人たちもいるのでしょうが、ハリウッドの作品は基本的に多くのテイクを重ねます。

撮影が終わってから、例えば編集室で「どうしてこの角度から撮ってないの?」となって、撮っていなければ監督の責任になりますから、保険みたいな感じも兼ねて、結構何テイクも撮るんです。

だから1日で1シーン、2シーンほどしか撮らないこともあります。HIKARIさんはフレキシブルな方で、現場で「今の感じも良かったけど、これを足してみよう」と演出が変わっていくところが楽しかったですね。僕も、実験的なことをするのが好きなので。

――物語全体としては、どんな印象をお持ちですか?

僕は15歳からアメリカに住んでいるので、海外からの日本への視点みたいなものも持っていて、常に日本のいいところやちょっと変なところを海外から見てきました。日本に帰ってきたときも、その視点をなくすことはなかったんですが、この台本を読んだ際には「あっ、僕と似たような視点だな」と思いました。まさに“経験してきた人”の作品なんだなと。

でも、そういう視点から日本を描いていても、外国人が描くような誇張されたジャパネスクではない。やっとリアルな日本を描いてくれる監督が出てきたのかなと思いました。

■役作りのアプローチで東京の類似企業を取材

――特にお気に入りのシーンを教えていただけますか?

お葬式のシーンですね。大雨が本当に突然降り出しました。でもそれが偶然にテオ・アンゲロプロス監督の映画のような色彩になって、しかもその葬式に集まった人たちの感情を表すような感じで、特に印象に残っています。

――「レンタル・ファミリー」という題名もインパクトがありますね。

HIKARIさんのうまさだと思います。一枚めくると、普遍的な寂しさや孤独、人とのつながりといったテーマが見えてくる。アメリカ的な視点から見ると、少し現実を誇張したようにも映る日本社会の中で、それらを描いている印象でした。

――多田は劇中でさまざまな「演技」をしています。役作りにはどう取り組んだのでしょうか?

HIKARIさんがおっしゃったのは、「カメレオンみたいな男にしてください」ということ。「本当に本音を言っているのか、人を乗せるために口先で言っているのか、つかみどころがない感じで」と。

撮影現場でも、さっきまでは冷たい態度だったけれど、次の瞬間はブレンダンにすごくフレンドリーな感じに迫るような…。だから自分の中でつじつまが合っていない部分もあるんです(笑)。でもそれがある意味、多田の魅力というか、その瞬間は本当にそれを信じている男が彼です。

考えてみたら、レンタルファミリーのシステムもそうですよね。架空の親子かもしれないけど、そこで生まれる感情は決してうそではない。

――撮影にあたり、平さんは東京の類似企業で働く方に取材なさったと伺いました。こちらについてのお話も聞かせていただけますか。

ジャーナリストでもある(共演者の)山本真理ちゃんに「インタビューに行かない?」と誘われて、取材に行きました。

台本だけで考えていると、どうしても絵空事というか作り話の域を出ないところがありますが、実際にレンタルファミリー業の人たちに話を聞くと、おばあさんから「夜1人で寝るのが寂しい。娘ぐらいの年代の人に、隣の部屋で寝るだけでいいからいてほしい」とニーズがあった、といったことも聞けました。

ひょっとしたら僕の母もそういうふうに思っているのかなと想像すると、いろんなものがとてもリアルに感じられて。現実ではない、コスプレのような状態から、もっとそれが実感として捉えられるようになりました。
平岳大
平岳大 / 撮影:永田正雄


■「『レンタル・ファミリー』昨日見たよ!と言われました(笑)」

――「レンタル・ファミリー」は海外では既に公開されていて、プレミア上映イベントにも登壇されてきましたが、反響はいかがですか?

ハワイの自宅近くのプールで子どもと遊んでいたら、いきなり僕の顔を見て「『レンタル・ファミリー』昨日見たよ!」と言われました(笑)。

プレミア上映は各国盛り上がりましたが、ロサンゼルスのときが特に盛り上がりましたね。とても日本的な感覚の映画だとも思うんですが、「外国の人もこの感覚が分かるのか」「通じるんだ!」と思いました。

――フィリップ役のブレンダンさんとのシーンも多かったですが、ブレンダンさんの印象は?

(ポスタービジュアルを指差して)これ1枚を見ても、彼の人柄が分かると思います。役者としては素晴らしいとしか言うことがないですし、役者以上の何か、演技を超えているようなところもありますね。

あの優しさ…ロサンゼルスのプレミア上映のとき家族を連れていったんですけど、彼の主演作なのでいろんな人に会わなければいけないのに、こちらを気遣ってくれて。人間力がすごいんだと思います。

――最後に、シーズン1が世界的に話題になった「SHOGUN 将軍」(ディズニープラス スターで配信中)のシーズン2が間もなく撮影開始(※取材は2月上旬)と伺いました。まだ言えないことも多いと思いますが、シーズン2はどんな展開になりそうですか?

そうですね、シーズン1がああいう終わり方をしましたからね…(笑)。

新たな出演者もいて、スケールも壮大。これ以上はまだ言えませんが、今回も期待していただいていい内容になると思いますよ。

◆取材・文=原田和典


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