男子テニス元世界ランキング3位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/現44位)が、かつての“対戦相手”たちを新たなコーチングスタッフとして迎え入れた。現在メキシコ・アカプルコで開催中の「アビエルト・メキシコ・テルセルHSBC」から、元世界3位のダビド・ナルバンディアン氏(アルゼンチン)がチームに合流している。
すでに今季初めから元トップ20選手のザビエル・マリッセ氏(ベルギー)を陣営に迎えているディミトロフは、ATP公式サイトでこう語る。
「別々に彼らのことは知っていたし、何度か対戦したことがあるのも助けになる。戦ったことのある相手と通じる部分を持てるのはいいことだ」
実際ディミトロフは、2012年と13年にマリッセ氏と3度対戦し2勝1敗、ナルバンディアンとは2012年に1度戦って敗れている。2人の合流は自然な流れだったと説明する。
「最初は、彼らと会話を重ねる中で、本当に同じように物事を見るようになり、キャリアのタイミング、ケガ、ゲームプラン、思考など、あらゆる面で彼らに共感することができた。今はまだ足場を固めている段階だが、何をすべきか、どのように試合に取り組みたいかについては非常に明確になっている」
ディミトロフがチームを刷新し再起を図る背景には、昨シーズンの不本意な戦線離脱がある。7月の「ウインブルドン」4回戦、ヤニック・シナー(イタリア/現2位)を相手に2セットを連取しながら大胸筋を痛め、無念の途中棄権を強いられた。その後、約3カ月間にわたってツアーを離れ、復帰を果たしたのは10月末の「パリ・マスターズ」だった。
「(離脱中は)精神的な観点から、自分自身のために取り組まなければならない作業の方が大きかった。多くのことを変えなければならず、それが少し自分の中で葛藤を生んだ。とはいえ、それは普通のことだし、希望の光を見つけようとしている。あんなにケガをしたり、あんなに長く競技から離れたりした経験は本当になかったので、それは極めて新しいことだった」
迎えた今季、ディミトロフはアカプルコ大会までに「ブリスベン国際」、「全豪オープン」、「ダラス・オープン」の3大会に出場したものの、わずか1勝のみとまだ調子は上がっていない。
「ここ数カ月は少し困難な状況だった。思うように練習できなかったし、試合数もこなせなかった」
そして今大会では1回戦でテレンス・アトマネ(フランス/同63位)と対戦したが、3-6、3-6のストレートで敗れている。復活を目指す34歳のベテランにとって、試練は続く。新体制の船出は黒星スタートとなったが、模索は始まったばかりだ。
構成●スマッシュ編集部
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