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「ユウキは見ていて楽しい、賢い選手だが…」ブルズ番記者が語る“河村勇輝の可能性”と“チームの未来”「立場はかなり厳しい」<DUNKSHOOT>

「ユウキは見ていて楽しい、賢い選手だが…」ブルズ番記者が語る“河村勇輝の可能性”と“チームの未来”「立場はかなり厳しい」<DUNKSHOOT>

現地時間2月5日(日本時間6日、日付は以下同)に設定された今年のトレード・デッドラインでの、シカゴ・ブルズの動きは多くのファン、関係者を困惑させた。

 イースタン・カンファレンス中位にいるチームが上位を目指すことを諦め、ベテランのニコラ・ヴュチェビッチ、コビー・ホワイト、アヨ・ドスンム、ケビン・ハーターらを放出し、21歳のロブ・ディリングハム、24歳のジェイデン・アイビーといった伸びしろを残した選手を獲得したことまでは理解できる。

 ただ、ホワイト、ドスンムという価値の高い選手をトレードしながら、肝心要のドラフト1巡目指名権はひとつも獲得できなかった。また、アンファニー・サイモンズ、コリン・セクストンというベテランも迎え入れ、もともと多かったガードをさらに増やしてしまった。この2人は契約最終年ではあるが、今季のいわゆる“タンキング”を助ける存在でもないだけに、なぜ獲得したかに疑問は残った。

 これらの一連の動きを、ブルズの番記者はどう見ていたのか?そして、ブルズと2WAY契約を結ぶ河村勇輝の今後に、どう関係して来るのか?『The Athletic』でブルズ番記者を務めるジョエル・ロレンツィ記者に意見を求めてみた。(以下、ロレンツィ記者の1人語り)
     ◇    ◇    ◇

 ブルズのトレード期限の動きを振り返って、少なくともこれまでのチームから変わろうとしているというシグナルを出したのは良かった。ホワイト、ヴュチェビッチをはじめ、あのメンバーがずっと一緒にいる状況にはみんな少し飽きていたはずだ。だから変化に踏み切ったこと自体は前向きだと思う。

 ただ、十分な変化だったかと言われると疑問だ。契約満了間近の選手を連れてきているし、彼らはハードにプレーする理由もある。もし本気で“タンク”をするつもりだったなら、もっと若くて将来性のある選手――例えばウスマン・ジェンのようなタイプを残すべきだったと思う。若くて長期的に見られる選手のほうが理に適っていた。

 それなのに、セクストンやサイモンズのように“タンク”には少し良すぎる選手を連れてきた。彼らは1試合16~20点を取って、勝たなくていい試合を勝たせてしまう可能性がある。ドラフト上位指名権を狙うなら逆効果だ。
  しかもトレードで1巡目指名権は取れず、2巡目だけ。正しいやり方だったとは思えない。

 繰り返しになるが、少なくとも4年間も“中途半端”な位置にいたことを自分たちで認めたのは事実だ。だから変化自体は歓迎だが、遅すぎた。1年か2年は遅かった。もっと早く動くべきだっただろう。

 今年のドラフトはここ20年で最高クラスだ。シーズン序盤から本気で動けば、有利な位置に立てたはず。それなのに、今季途中まで今のロスターで何かができると信じていた。そしてようやく“うまくいっていない”と気づいた。だから解体を始めても祝福ムードにはならない。時期を逸したからだ。

 今後、ブルズはジョシュ・ギディーやマタス・ブゼリスを軸にしたチームを作っていくことになる。その上で、2024年のドラフト8位指名選手のディリングハムがコアに含められる選手かどうかを見極めたいはずだ。

 レナード・ミラーやアイビーも同様。特にアイビーは若く、まだルーキー契約下にある。長期的戦力になるかどうかを見たいはずだ。
  一方、サイモンズやセクストンは長期的な未来像に合っているとは思えない。彼らが長期契約で戦力になるようであれば、再契約も考えるかもしれないが、そうなるとは思えない。

 シーズン終盤のポイントは、トップ10のドラフト確率に入るために“十分に負けること”、そしてディリングハムが本当に戦力になるかを見極めること、さらにアイビーの自信と爆発力を取り戻すこと。それらの3つが重要になってくるのだろう。

 いずれにしても、今のブルズは依然としてガードが多すぎるため、ユウキの立場はかなり厳しい。ローテーションの一角を勝ち取るのは難しい状況だ。

 誤解してほしくないが、ユウキにはハートがある。オフェンスを組み立てる能力やトランジションでの推進力も持っている。1月31日のマイアミ・ヒート戦ではジャンプボールで勝ったり、見ていて楽しいし、賢い選手だ。

 もし彼があと5インチ(約12.7cm)背が高ければ、“ローテーション云々”といった議論はしていない。パウンド・フォー・パウンド(サイズを度外視すれば)では優れた選手だ。
  ただ、ユウキのサイズ不足は常に不利に働く。強度やスキルはあっても、身長差を埋めるのは簡単ではない。今はガードのサイズがかつてないほど大きい時代であり、時には自分より30cm近く大きい相手を守らなければならない。その面の難しさはどのチームに所属しても同じだが、6人もガードがいるブルズのようなチームではなおさらだ。

 このチームで証明する必要がないのはギディーくらいで、他の選手はみな、何かを懸けている。そんななかで、ユウキが本当に意味のあるプレータイムを得るのは難しいだろう。
  私が思うに、ブルズの本来の構想は、ノア・エセンゲがGリーグでプレーするなかで、ユウキが司令塔として育成を助けるというものだったと思う。だが、エセンゲが故障で今季終了になったことで、その目的は消え、ユウキの役割も曖昧になった感がある。

 ユウキにとってのメリットは、2WAY契約選手であることだ。ケガ人は出るものだし、その時にNBAでもプレーするチャンスは出てくる。彼にできるのは、NBAとGリーグを往復するなかで、その両方でいいプレーをして、辛抱強く経験を積み重ねて評価を上げていくことだと思う。

文●杉浦大介

【画像】日本から世界最高峰NBAへ!ブルズと2WAY契約を結んだ河村勇輝の軌跡を厳選ショットでお届け
配信元: THE DIGEST

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