永住ビザ申請の手数料が「20万円時代」に突入すれば、日本はさらに人手不足が深刻化するのではないか。そんな懸念が広がっている。
議論の中心にいるのは、保守派の論客として知られる高市早苗総理だ。政府内では永住許可手数料を現行の1万円から大幅に引き上げる案が検討されているという。正式決定ではないとはいえ、外国人労働者の間では「日本はコストが高くなる」という印象が広がりつつある。
影響が及ぶのは、すでに海外の人材に支えられている地域だ。製造業が集積する愛知県や埼玉県、外食やサービス業の比重が高い大阪府などは、慢性的な人手不足を抱える。
日本屈指の観光都市、京都府はどうか。多数の観光客で賑わう一方で、若者の「定着しにくさ」という課題を抱える。大学は多いが、卒業後は東京や大阪へ流出。給与水準は首都圏より控えめで、家賃は観光需要で高止まりしている。そこに人材確保のハードル上昇が重なれば、ホテルや飲食、清掃などの現場はこれまで以上に厳しい状況に置かれる可能性がある。
さらに京都市内はオーバーツーリズムで慢性的な混雑が緩和されず、事業者はインボイス制度対応や物価上昇に追われている。経営環境がただでさえタイトな中で、外国人材の流入が鈍れば、地域経済への影響は小さくない。
政府は「国際水準への適正化」と説明するが、円安下で日本の賃金の魅力が相対的に低下しているのは事実。制度の見直しが管理強化にとどまるのか、それとも人材獲得競争に影響を及ぼすのか。少子高齢化が進む日本にとって、慎重な舵取りが求められる。
(京野歩夢)

