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「これは一体、何のふざけたニュースだ?」“天才”ヤマルが一部報道に激怒 スペインメディアの暴挙にバルサも猛抗議【現地発】

「これは一体、何のふざけたニュースだ?」“天才”ヤマルが一部報道に激怒 スペインメディアの暴挙にバルサも猛抗議【現地発】


 無理に強いられた成熟に振り回されることもあれば、即時性が求められる現代の潮流に飲み込まれることもある。だが、基本的には周囲の喧噪に無関心なラミネ・ヤマルを驚かせるのは、容易なことではない。彼はまだ18歳なのだ。

 バルセロナの関係者がその事実を痛感しているのはもちろんだが、誰よりも深く理解しているのは親友のモハメドとソハイドだろう。彼らは、フットボール界の巨星となったヤマルが、まだ故郷ロカフォンダの路上で無心にボールを蹴っていた頃から、常にその傍らにいた。

 そんなヤマルの揺るぎない平穏が、大きく揺れ動いたことがあった。かつてシャキーラとジェラール・ピケが暮らしていた邸宅を、新たな自宅として初めて訪れた時のことだ。自室に一歩足を踏み入れた瞬間、彼はベッドの巨大さに呆然と立ち尽くした。それは、かつて彼が父親と分け合って使っていたベッドよりもはるかに大きかったからだ。

 友人は、ヤマルがそんな些細なことに目を丸くしたことに驚き、そして密かに安堵した。名声と成功の濁流の中にあっても、彼が初心を忘れず、自分が成し遂げたことに素直に感動できる感性を失っていないことを証明していたからだ。

 バルサのSD(スポーツディレクター)であるデコは、スポーツ紙『SPORT』のインタビューでこう語っている。

「ラミネには他者にはない利点がある。彼は非常に賢く、経験豊富で、これまでの人生で多くのことを学んできた」
 
 また、スペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督も「18歳の青年としては並外れた成熟度だ」としばしば強調する。クラブのスタッフは、ヤマルのこの「異常なまでの普通さ」をこう表現した。

「ラミネの肌には特殊な樹脂が塗られているかのようだ。大抵のことは、彼に触れてもそのまま滑り落ちていってしまう」

 バロンドールを視野に入れながらも、個人賞に固執せず、名声や贅沢も相対的なものとして冷めた目で見つめている。甘い称賛の声にも、すり寄る有名人にも心は動かない。サンティアゴ・ベルナベウでのクラシコでカルバハルに挑発されても怯まず、浴びせられる人種差別的な罵声にも動じない。ある統計によれば、フットボール選手に向けられるヘイトスピーチの6割がヤマル一人に集中しているという。

 彼の周囲の人々はこう説明する。

「常人には抱えきれないような問題も、ラミネは極めて冷静に受け止める。人種差別に対しても、決して自らを犠牲者の立場に置くような真似はしないのだ」

 ヤマル自身も、米『CBS』のインタビューで、自らの「非日常」を淡々と語っている。

「普通の18歳なら、学校が終われば家に帰るだけだ。でも僕は、練習を終えて帰宅すれば4人のパパラッチが待ち構えていて、プライベートを根掘り葉掘り探られる。テレビをつければ自分が映り、街を歩けば僕のユニホームを着た子供を目にする。飲みに行きたくても、もはや叶わない。プレイステーションで遊び、母と食事をし、弟と一緒に過ごす――そんなシンプルな時間を求めていても、正直に言ってもう普通の18歳には戻れないんだ。周囲が僕を普通には見てくれないし、僕自身もそう振る舞うことは許されないから」

 しかし、何事にも動じないはずのこの若き天才が、今月9日、ついに出口のない怒りを爆発させた。
 
 発端は、一般紙『ABC』が報じた一本のニュースだった。カタルーニャ州警察が、元バルサのアンス・ファティ(現モナコ)の兄によるオランダ人女性への性的暴行容疑を捜査しているという衝撃的な内容だ。

 だが、あろうことかその見出しには、事件が「ラミネ・ヤマルの自宅」で起きたという記述が添えられていた。バルサの新10番の顔写真が、あたかも事件の主役であるかのようにメディアを占拠したのだ。

 これを目にしたヤマルは、「これは一体、何のふざけたニュースだ?」と激しい憤りを露わにした。その苛立ちは即座に家族にも伝わり、バルサの関係者や弁護士たちは、かつてない事態の収拾に追われることとなった。

 事件が起きたとされる8日の夜、アンス・ファティとその兄はバルセロナの街で父親の誕生日を祝った後、何人かのバルサの選手たちと合流していた。しかし、そこにヤマルの姿はなかった。そもそも彼はその時、バルセロナにさえいなかったのだ。

「バルセロナでパーティーがあるたびに、あたかもラミネの主催であるかのように報じられる。理解に苦しむよ。彼はまだ子供なんだ」
 
 スペイン代表の至宝を身内として支える彼の家族は、そう不満を爆発させた。クラブ側も同様に、「事件現場でもなければ、本人がその場にいたわけでもない。同じ街にすらいなかった人物を無理やり巻き込んだのだ」と、メディアの暴挙に対し猛烈に抗議した。

 ヤマルの弁護士団は即座に動き、彼の自宅で事件が起きたと報じたり、無断で彼の画像を使用したりした各メディアに対して、31通もの警告書を送付した。

「ラミネを本件に関するあらゆる記録から切り離し、名前と画像の不適切な使用を直ちに訂正することを求める。これらは彼の名誉、肖像、そして個人的な評判を著しく損なうものである」

 彼の顧問弁護士はそう強く要求した。ほとんどのメディアは即座に訂正に追い込まれた。

 前述の『CBS』のインタビューで、ヤマルは自らの人生観をこう明かしている。

「人生には、予想だにしない状況に置かれることが多々ある。でも、僕の性格が今日まで生き残る助けになってくれたんだ。最悪の状態にあるときこそ、僕は良いことを考えるようにしている。それが、めったに落ち込まない秘訣だ。フットボールにおいて、そのマインドこそが最も重要なんだ。絶望したり悲しんだりしてベッドに入る日は一日もない。いつも明日は今日より良くなる、週末にはもっと良いプレーができる――そう考えているよ」

 問題は、スポーツ界の不文律が必ずしも現実の人生のルールと一致しないことだ。めったに驚くことのないこの青年は、自分の名前がいかに都合よく消費され、歪められるかという現実に、今もなお驚き、そして辟易している。

 だが、忘れてはならない。彼はまだ、18歳なのだ。

文●ファン・I・イリゴジェン(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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