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久保移籍の“予兆”なのか――後釜となるウイングを獲得したソシエダの思惑を番記者が説く「タケはサイクルを終えようと…」【現地発】

久保移籍の“予兆”なのか――後釜となるウイングを獲得したソシエダの思惑を番記者が説く「タケはサイクルを終えようと…」【現地発】


 タケ・クボ(久保建英)の去就問題は、厳然として存在する。結局のところ、今冬の移籍市場の最終盤におけるスポーツ部門の動きこそが、レアル・ソシエダがタケの「ステップアップ移籍」という案件を今も検討事項として机の上に置いていることを露呈させた。

 皮肉なことに、日本人アタッカーが最高の状態にあった時期に負った不運な負傷が、クラブの進むべきルートマップを完全に変えてしまったのだ。それにより、口約束が交わされ実質的に成立寸前だったCF(センターフォワード)の獲得オペレーションは、凍結を余儀なくされた。

 ペッレグリーノ・マタラッツォ監督はフロントとの協議の末、当初のプランを白紙に戻した。タケの離脱期間がクラブの予想を上回り、2か月以上に及ぶ可能性が浮上したことで、その穴を埋める新戦力の確保を優先するよう求めたのだ。この瞬間から、クラブが新たなウイングの完全移籍での獲得を模索しているという情報が漏れ始めた。それは不可避的に、今夏のワールドカップ(W杯)を最後にタケがソシエダを去るのではないかという「予感」に火をつけることとなった。
 
 この新たな動きは、並行して進んでいた本格派のCF獲得の交渉を停滞させ、あるいは中止させることを意味した。ソシエダが冬の市場で2人のアタッカーを同時に迎え入れる資金的・編成的な余裕がないことは明白だったからだ。

 当初の狙いは、得点嗅覚とポストプレーに長けた実績豊富な「9番」の確保。それも、将来的に前線の主軸に据えるオーリ・オスカールソンの成長曲線を阻害しないよう、買い取り義務のないレンタル移籍が条件であった。

 しかし、オスカールソンの居場所が確保され、さらにはブラジル人ウイングのウェズレイの驚きの加入が重なったことで、パズルのピースが噛み合わなくなり始めた。そこで再び宙に浮いたのがタケの去就である。

 当然ながら、ブラジルやサウジアラビアといった全く異なる環境からやってきた20歳の有望株を戦力化するには、相応の適応期間を要する。チームが「マタラッツォ効果」に沸き、宿敵アスレティック・ビルバオとのダービー2試合(ラ・リーガとコパ・デル・レイ)を直後に控えていたことを考えれば、即戦力ではなく、未知数の若手を選んだフロントの決断は議論の余地があるだろう。

 繰り返すが、ウェズレイは現在20歳で、シーズン終了後に1200万ユーロの買い取りオプションが付帯したレンタル移籍だ。つまり、表面上は即戦力の補強に見えるが、実態は期待値通りの働きを見せた場合の「未来の選択肢」に過ぎない。事実、これまでの出場機会における彼のパフォーマンスは、極めて控えめなものに留まっている。

 そこで必然的に、ある疑問が再燃する。「ならば、タケはどうなるのか?」という問いだ。
 
 冬の移籍市場の総括会見に臨んだスポーツディレクターのエリック・ブレトスは、タケが日本代表の医師団による診断を受けるために帰国したことを明かした。クラブのメディカルスタッフと連携しての措置であることを強調しつつ、来るべき夏に向けてこう釘を刺した。

「タケは深刻な筋肉系の怪我を負った。我々は彼に許可を与え、日本代表の医師に診てもらうことにした。もちろん我々のメディカルチームとも連携している。彼は今週中に戻り、引き続き我々とリハビリを続ける。プロセスは順調だ。市場に関しては、夏のことは考えていない。タケは我々にとって不可欠な存在だ。彼は非常に高いレベルにあったし、一日も早い復帰を願っている」

 一方、オフレコの場ではリラックスした口調でこう煙に巻いた。

「なぜ今、タケのことを聞くんだい? 彼の状況を分析する時間は、これからいくらでもあるさ」

 ウェズレイの獲得は、昨夏の時点で多くの人々が想像していた以上に、タケの移籍話が具体性を帯びていたのではないかという疑念を再燃させた。タケ自身、新たなプロジェクトにおける自らの役割を完全には確信できていなかった。

 3年前の加入時に「スビメンディ、シルバ、メリーノ、イサクがいた」と往年の顔ぶれに触れたプレシーズン開始時の発言を振り返れば、全当事者が納得する条件さえ提示されれば、新天地を求める準備ができていたという印象が残る。もちろん、彼は無理に強要するつもりはなく、ソシエダ側も彼を手放す意図がないことを明確にしていたが。
 
 だが、今は状況が異なる。世界的なショーケースであるW杯が目前に迫っているのだ。24歳となり、フットボーラーとしてこれからピークを迎えるタケは、さらなるステップアップへの準備が整ったと自覚しているはずだ。昨夏に代理人を変更したことも、決して偶然ではないだろう。こうした動きの裏には、通常、何かが潜んでいるものである。

 最大の焦点は、ソシエダが「6000万ユーロの契約解除金(そのうちクラブに入るのは約3200万ユーロ)」が支払われた場合のみ門戸を開くのか、それともプロジェクトの柱として何としてでもタケを繋ぎ止めるのか、という点にある。近頃はゲデスが攻撃陣を牽引し、存在感を示しているとはいえ、仮にタケが去ることになれば、戦力面はもちろん、ファンの感情面においても計り知れない打撃となることは言うまでもない。

 タケはドノスティア(サン・セバスチャン)でのサイクルを終えようとしているのかもしれない。だが同時に、ソシエダが彼の飛躍にとって理想的な環境であったのも事実だ。互いの利益が一致したこの絆は、今夏、何が起ころうとも、クラブが歩んできた歴史の重要な一部となっている。

取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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