アメリカとイスラエルによるイラン爆撃「壮絶な怒り作戦」の戦火が拡大の一途を辿っている。イランによる報復攻撃はイスラエルのみならず、周辺のUAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、クウェート、オマーンなどに次々と飛び火。周辺諸国にある米軍基地や米大使館のほか、湾岸地域にある民間の石油関連施設にも、ミサイルや無人機(ドローン)による攻撃が執拗に繰り返されている。
そんな中、アメリカのトランプ大統領やイスラエルのネタニヤフ首相の心胆を寒からしめる重大情報が飛び込んできた。中東情勢に詳しい国際軍事アナリストは「イラン諜報筋の話」として、爆殺されたイランの最高指導者ハメネイ師にまつわるコトの次第を次のように明かすのだ。
「ハメネイ師は『イランに対する空爆が始まれば、自分が爆殺されるのは時間の問題』と覚悟を決めていたようです。その予見通り、ハメネイ師は空爆初日にアッサリと殺害されましたが、自身が間もなく殉教者になることを前提に、直属の精鋭部隊である『革命防衛隊』に、徹底抗戦のための秘密指令を下していたとされます」
その秘密指令を要約すると、次のようになる。
「自分が殉教した以後は持てる戦力をイラン全土に分散配備し、山野や地下に潜んでミサイルや無人機による攻撃を継続せよ」
要するに、周辺諸国を巻き込む形で「中東の火薬庫」に火をつけ、なりふりかまわぬ徹底抗戦で戦況をずるずると長引かせる。中東地域を極度の不安定状態に陥れることで、アメリカやイスラエルを疲弊させる、という捨て身の作戦である。
それだけではない。ハメネイ師は周辺諸国に拠点を置く「抵抗の枢軸」に対しても、革命防衛隊を通じて秘密指令を下していたというのだ。国際軍事アナリストが続ける。
「ハメネイ師はレバノンのイスラム教シーア派組織『ヒズボラ』のほか、イエメンの反政府勢力『フーシ』、パレスチナ自治区ガザのイスラム原理主義組織『ハマス』、さらにはイラクの民兵組織『カタイブ・ヒズボラ』など、親イランの『抵抗の枢軸』に対して、報復攻撃への呼応を秘かに呼びかけていたといいます。これらの親イラン勢力が共闘作戦を開始すれば、周辺諸国はさらなる混乱状態に陥ることになるでしょう」
いわゆる「抵抗の枢軸」をめぐっては、イスラエルによるガザ攻撃やレバノン攻撃によってハマスやヒズボラが大打撃を受けるなど、組織の弱体化が指摘されている。だが、各組織ともゲリラ攻撃を行う戦力は保持しているとされており、反イラン諸国にとっては依然として、足元を襲う不気味な脅威となっているのだ。
いずれにせよ、カギを握るのは「戦況の長期化」。中東情勢が泥沼状態に陥って困るのは、先制攻撃を仕掛けたアメリカとイスラエル、そして今回の「壮絶な怒り作戦」を支持する周辺諸国なのである。
(石森巌/ジャーナリスト)

