
【北中米W杯出場国紹介|第22回:クロアチア】モドリッチがいる限り、最後まで戦い続けるスピリットは揺るがない。GS初戦は最大級の注目カードに
ユニホームは赤と白のチェックが特徴的なクロアチア代表は、「バトレニ(炎の男)」の愛称を持つように、情熱的なサッカーを伝統とするW杯の常連国だ。
2018年のロシア大会は準優勝、22年のカタール大会は3位という実績が示す通り、ポット1から外れたなかで、最も実力のある国であることは間違いない。
2年前のEUROではグループステージで敗退するなど、カタール後の成績があまり思わしくないことが、11位という現在のFIFAランキングにも表われている。ただし、就任10年目となるズラトコ・ダリッチ監督が、世界の大舞台にしっかりとチームのピークを持ってくるはずだ。
何より2006年のドイツ大会から5大会目(10年の南アフリカ大会は予選敗退)となるルカ・モドリッチ(ミラン)は健在で、彼がいる限り、試合終了まで戦い続けるチームのスピリットは維持されそうだ。
前回大会から引き続き主力として残っているのは、モドリッチのほか、GKのドミニク・リバコビッチ(ジローナ)、ディフェンスラインのヨシュコ・グバルディオル(マンチェスター・シティ)、ヨシップ・スタニシッチ(バイエルン)、ボランチのマリオ・パシャリッチ(アタランタ)、攻撃的MFのニコラ・ヴラシッチ(トリノ)、FWのアンドレイ・クラマリッチ(ホッフェンハイム)、イバン・ペリシッチ(PSV)など。一方で22歳のFWフランヨ・イバノビッチ(ベンフィカ)やMFニコラ・モーロ(ボローニャ)が台頭してきている。
モドリッチを軸に長短のパスを散りばめながら、ペリシッチやイバノビッチの鋭い仕掛け、ヴラシッチのアクセントを絡めた崩しがスタンダードで、2、3本のミドルパスを織り交ぜた鮮やかなカウンターも決定力が高い。
また勝負どころで途中投入される交代選手の個性とクオリティも強みであり、本大会のグループステージはもちろん、決勝トーナメントでもアドバンテージになりうる。
守備面ではやはりリバコビッチの存在が大きい。センターバックはヨシップ・シュタロ(アヤックス)とドゥーエ・チャレタ=ツァル(レアル・ソシエダ)がファーストセットで、左右からグバルディオルとスタニシッチが力強く支える。まさしく4枚の壁であり、彼らに単純なロングボールはほぼ通用しない。
攻守に渡る豊富な活動量でモドリッチを補佐するペタル・スチッチ(インテル)も局面でクオリティを出せる必見のタレントだ。さらにバシャリッチが、組立からミドルシュートまで、万能性の高いプレーを約束する。
アタッカーでブレイクが期待されるのは、FWイゴール・マタノビッチ(フライブルク)だ。イバノビッチと同じ2003年生まれの大型ストライカーで、ブンデスリーガでは日本代表MF鈴木唯人とのホットラインを思い浮かべるファンもいるかもしれない。
これまでも屈強なFWはいたが、ボックス内での迫力あるフィニッシュはクロアチアが三度、躍進するためのビッグピースになりうる。またMLSでプレーするFWペタル・ムサ(ダラス)にとって、所属クラブのホームタウンがイングランド戦の開催地となる。
L組の予想でイングランドを首位に推す声は多いはずだが、初戦の相手がクロアチアというのは彼らにとっても不気味だろう。2018年大会の準決勝で、クロアチアが延長戦の末に、2-1でイングランドに勝利した。それだけに、両国の対戦は今大会のグループステージで間違いなく最大級の注目カードとなる。
もちろんイングランド戦の結果がどうあれ、パナマ、ガーナにしっかり勝利すればラウンド32進出は見えてくるが、大会を通しての躍進を占う意味でも、いきなり目が離せない大一番になりそうだ。
文●河治良幸
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